いよいよ異世界への旅立ちとなった。
最初に向かうのは地属性の世界らしい。

担当するのは無属性の僕、
カレン、ソニアさんのほか
地属性のティアナさんとエルム。


人数が少ないような気がするけど
これには理由があるみたい。
 
 

トーヤ

で、どういうこと
なんです?
人数が限られている
というのは?

ソニア

世界間のバランスに
影響が出るのよ。
隔世の門を通るとね。

トーヤ

えっ!?

ソニア

だって異質なものが
出入りするわけだから。
それで人数に制限が
あるわけよ。

ソニア

刺激は最小限にした方が
いいでしょ?

カレン

確かに……。

 
 
各世界はただでさえ不安定な状態に
なっているんだから、
僕たちの移動をきっかけに
世界が崩壊してしまったら
元も子もないもんね。

となると、
今回の作戦を成功させるためには
各世界で協力者を見つける
重要性が高いかもなぁ。
 
 

ティアナ

たまたま私とエルムが
地属性だと判明したから。
頭数がいるなら
私が先鋒になるって
女王様に進言したの。

エルム

兄ちゃん、
がんばりましょう。

トーヤ

では、
地属性の世界に行くのは
僕たち5人
というわけですね?

――いや、6人だ。

 
 
その時、控え室から出てきたのは
意外な人物だった。

その懐かしい顔に僕は涙が出そうになる。
 
 

ルシード

よぅ、トーヤ。
ご無沙汰だったな。

トーヤ

ルシード!

 
 
ルシードは僕の親友で隠れ里の住民だ。
僕もお父様もずっとお世話になってきた。

再会するのはいつ以来だろう?
 
 

トーヤ

わぁ、どうしたのっ?
旅立ちの前に
会いにきてくれたの?

ルシード

ちょっと違うかもな。

クレア

私が転移魔法で
連れてきたのよ。

トーヤ

クレアさんが?

クレア

トーヤに関わりが
強い場所ということで
最初に隠れ里へ行ったの。

クレア

そして里の人の
属性を調べてみたら――

ルシード

俺が地属性だった
というわけだ。

ソニア

初期段階で
ひとつの属性が集まるのも
何かの運命ね。

 
 
ソニアさんの言う通りかも。
単なる偶然で片付けてしまうのは
なんだか違うような気がする。

きっとこれは神様のお導きなんだ。
 
 

ルシード

事情は聞いたぜ。
俺もトーヤの力に
なりたくてな。
快諾したというわけだ。

トーヤ

そもそも世界の命運が
かかってるんだから
僕が関わってなくても
協力しないとダメだよ。

ルシード

そうかな?
俺はトーヤが
関わってなかったら
断っていたかも。

トーヤ

えっ?

ルシード

こんな下らない世界、
滅びちまえって
何度思ったか。
俺が隠れ里へ来た理由、
知ってるだろ?

トーヤ

うん……。

 
 
ルシードは仕えていた魔族の人より
能力が高いことが理由で
その人たちから疎まれ、
隠れ里へ流れてきたんだ。

そういう世界に生まれて、
何もかもに絶望していても
おかしくない……。
 
 

ルシード

だけどな、
隠れ里のみんなや
トーヤのためなら
俺は協力を惜しまない。

ルシード

俺に生きる希望や
温かさをくれた
みんなには大恩がある。

トーヤ

ルシード……。

ルシード

そういうわけだ。
俺はトーヤの剣となり
盾となる。
それは隠れ里にいた時と
変わらない。

トーヤ

ルシード、ありがとう!

ルシード

ほかのみんなも
よろしくな。

エルム

はいっ!

カレン

よろしくお願いします。

ティアナ

こちらこそ。

ソニア

よろ~っ♪

 
 
僕たちは握手をして結束を強めた。

これから向かう世界では
何が待ち受けているか分からないけど、
うまく切り抜けられるような気がする。


ルシード、それにみんな。
僕だってみんなのためなら
がんばれるよ!
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

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