ソニアさんの話と態度に触れ、
デリンさんやクレアさん、
タックさんなどは
彼女に対して特に警戒の色を強めた。
するとその様子を見てソニアさんは
慌てて笑ってその場を取り繕おうとする。
ソニアさんの話と態度に触れ、
デリンさんやクレアさん、
タックさんなどは
彼女に対して特に警戒の色を強めた。
するとその様子を見てソニアさんは
慌てて笑ってその場を取り繕おうとする。
あぁ、安心して。
キミたちと敵対する気は
全くないから。
特にトーヤやエルム、
サララみたいな
純粋で可愛い子を
泣かせるわけないじゃん。
…………。
お前を信用しろと
言うのか?
キミはどうしたいの?
オイラの本音は
無駄な争いは
避けたいってことだ。
それは私も同じ。
つまり同志だー☆
でもな、お前は
警戒せざるを得ない。
そしてオイラたちが
そう考えるだろうって
分かってて
お前はそういう態度を
とっている。
さすがだねー。
だったら私が本当に
キミたちに危害を
加えないだろうってことも
察しているはず。
でしょ?
……まぁな。
現時点では、な。
タックさんのその返答を聞くと、
ソニアさんはクスッと笑った。
その時の笑みには裏表がないというか、
自分の本性をさらけ出した
無垢な笑みだったような気がする。
その瞬間、ソニアさんは本当に
僕たちと敵対する気持ちはないんだなと
いう気がした。
ちょっと悪戯好きなだけなんだと思う。
ただ、それと同時に心の深い場所で
何かを抱えているかのような
そんな気もした。
根拠はないし、
僕の勝手な思い込みかもしれないし、
みんなはソニアさんのことを
どう感じているのかは分からないけれど。
ま、タックが私を
警戒する気持ちは分かるよ。
うん、それが普通の反応。
知識や力を持ち、
みんなを見守る立場なら
なおさらね。
…………。
一目で分かったよ。
ま、トーヤたち
ほどじゃないけど、
ここにいる人はみんな
比較的純粋で素直な
性格みたいだから。
やっぱお前には
完全に心を許すわけには
いかねぇみたいだな。
うん、それでいいよ。
パーティ内には
そういう人も何人かは
必要だからね。
私、意外にタックを
気に入ったかも。
オイラにとっては
ありがた迷惑だけどな。
だって本当の悪人なら
そういうことは言わずに
心の中に秘めたままに
するもん。
そっちにいる
ゲロちゃんのようにね。
ソニアさんは冷笑を浮かべ
皮肉ったような口調で言った。
何者も射貫くような彼女の鋭い視線が
ロンメルに向けられている。
するとロンメルは小さく息をつき、
やれやれといった感じで話し始める。
トーヤたちは
純粋過ぎるからな。
我のようなタイプも
必要なのだ。
ソニア、お前もそれは
分かっているだろう。
分かっていて黙っていた。
悪趣味なヤツめ。
お互い様じゃん。
せいぜい
寝首をかかれぬよう
お互いに
気をつけようではないか。
だね~☆
ふたりともニタニタと
怪しく微笑んでいた。
口には出さないけど
どちらも気持ちの上では
牽制し合ってるんだろうな。
あ、トーヤとエルムと
サララは絶対に
危害を加えないから
安心していいよー?
は、はぁ、
そうですか……。
ありがとうございます。
…………。
というわけで、
察しがついちゃった。
タックたちは貴族院の
地下ダンジョン、
発見して探索も
してきてたんだね?
でも私を警戒して
私のいるこの場では
話さないことにした。
そういうことか。
どうだかな~☆
――隔世の門。
急にソニアさんは真顔になって呟いた。
今までとは明らかに雰囲気が違う。
声も口調も低くて芯があって力がある。
あまりに突然に
態度がガラッと変わるから
僕は思わずキョトンとしてしまったけど。
それにしても『隔世の門』って、
何のことかな?
その名称にふさわしい物が
あそこにあったでしょ?
私はそこから
召喚されたんだよ。
っ!?
ピンときたみたいだね。
そしてそれがこの世界を
危機に陥れている元凶。
放置を続ければ
繋がった全ての世界が
いずれ崩壊する。
不意にソニアさんから語られた
『隔世の門』とそこに隠された秘密。
それが元でこの世界は滅ぶという。
女王様から聞いていた消滅結界呪法や
魔法玉と何か関わりがあるんだろうか?
次回へ続く!