女王様から語られたのは、
グランが世界の消滅を
企てていたということだった。
グランを倒したあとでも
それが問題になっているということは、
その危機がぬぐい去られていない
ということなのだろう。
女王様から語られたのは、
グランが世界の消滅を
企てていたということだった。
グランを倒したあとでも
それが問題になっているということは、
その危機がぬぐい去られていない
ということなのだろう。
グランがやらかした
大きな問題が
ふたつある。
まずは異世界から
強大な力を持った者を
召喚したということ。
それはモンスター
ですか?
異界の神か何かですか?
不明だ。だが、
召喚に成功したのは
確からしい。
でも僕たちは
そんなヤツと会ってない
ですよ?
もしそんなヤツがいたら
もっと苦戦していただろうし、
追い詰められたグランなら一か八かで
呼び出していたとしてもおかしくない。
なぜそれをしなかったのか……?
つまり召喚には
成功したが
制御できなかったか
何らかのトラブルで
実戦投入が
出来なかったのだろう。
まずはその者を探し出し
排除しなければならない。
もうひとつの問題は――
これが圧倒的に
厄介なことなのだが……。
なんですか?
消滅結界呪法。
消滅結界呪法?
聞いたことのないフレーズだ。
その響きから、
ヤバイのは直感的に理解できるけど。
今、この場所には
魔界があり、
ゲートの向こうには
平界がある。
トーヤ、
それは理解しているな?
えぇ、まぁ。
だが、それとは別に
根本的に異なる世界が
たくさん存在している。
決して交わることは
ないがな。
だが、どうやったのかは
知らんが、
グランはこの世界を含め
異世界同士を強引に
繋げることに成功した
ようなのだ。
えぇっ!?
グランはその後、
世界間のバランスを崩し
意のままに世界を
消滅させようとしていた。
実現する前に
トーヤたちがグランを
倒したがな。
ただ、
グランの腹心どもが
各世界へ派遣済みで、
今も消滅計画を進めている。
…………。
そうか、グランを守っているヤツが
極端に少なかったのには
そういうことも影響していたのか。
不老不死の糧になったやつばかりじゃ
なかったんだね……。
それを防ぐには
この世界との繋がりを
維持する魔法玉を全て
破壊しなければならない。
このままだと
世界間のエネルギーに
偏りが出来て
消滅してしまう。
つまり完全に各世界を
独立した状態に
戻してやる必要が
あるわけだ。
なるほど……。
現時点で
異世界間を移動する
ゲートは
発見されていない。
ただ、手がかりは
貴族院やグランの屋敷に
あると思う。
その調査にトーヤも
同行してほしい。
薬草師としての能力と
トーヤの特殊能力が
きっと役に立つ。
そういうことでしたか。
グランの屋敷などに
どんなワナが仕掛けられていても
おかしくないもんね。
その時、僕の回復薬が役に立つだろうし、
状態異常無効化の特殊能力がある僕なら
全滅を防げる可能性が高まる。
カレンには先ほど
説明をしておいた。
彼女はトーヤと一緒なら
屋敷を案内することを
承諾してくれた。
グランの屋敷について
あいつほど詳しいヤツは
いないからな。
ま、グランの屋敷はカレンの実家だしね。
知らないことがあるにしても、
違和感に気付きやすいのは確かかも。
そこでトーヤたちには
グランの屋敷を
探索してほしい。
アレスたちには
貴族院の探索を
してもらう予定だ。
分かりました。
それで僕とカレンのほかは
どんなメンバー
なんですか?
俺とサララ、
エルムとロンメルだ。
僕のパーティは
シーラとタック、
ビセットさん、
クレアさん、
アポロ、ユリアだよ。
出発は一週間後。
心構えを
しておいてほしい。
はいっ!
僕は力強く返事をした。
世界を守るためだもん、当然だ。
それにしても、
グランを倒してようやく平和が訪れると
思っていたのに、
そう簡単には落ち着かせては
もらえないらしい。
もしかしたらグランが最期に
ニヤリとしたのは
カレンのことだけじゃなくて、
世界の消滅に関してのことも
あったのかも。
とにかくあと少し、
がんばらなくっちゃ!
次回へ続く!