副都との戦いが終わり、
カレンの体は元の姿に戻った。
僕も昨日、ようやく意識を取り戻して
今も王都の病室で療養中だ。

僕自身としてはもう現場復帰しても
問題ないって思うし、
多くの患者さんのためにも調薬したい。

でもみんなが口を揃えて
『もう少し休め』っていうので
あと何日かは
休ませてもらうことにしている。




ちなみにここでいう
『みんな』っていうのは、
病室へお見舞いに来てくれた仲間たち。

もともと王都に残っていた
王都守備グループの女王様やセーラさん、
アーシャたちはもちろん
王都で待機となっている
アレスくんやタックさんなどだ。


一方、クレアさんやデリンさんは
今も各地を飛び回って
戦後処理を着々と進めている。
 
 

トーヤ

うーん、暇だ。

 
 
療養するのはいいけれど、
何もすることがなくて
暇をもてあましている。

薬学書や植物図鑑などを読んだり、
窓からお城の復興の様子や雲の流れを
眺めることくらいしかやることがない。

でもこれも平和になったからこそ。
だから贅沢な悩みかもだけど。
 
 

エルム

兄ちゃん。

トーヤ

あ、エルム。
どうしたの?

 
 
僕の病室にやってきたのはエルム。
彼は隣の病室で僕と同様に療養中だ。

そうだ、エルムと会話して過ごそうかな。


そう思っていると――
 
 

エルム

兄ちゃんと会話しに
来たんです。暇を
もてあましてるかなって
思って。

トーヤ

当たり。
さすが僕の使い魔だね。

エルム

えへへへ。

じゃ、
私もその輪の中に
混ぜてもらえますか?

トーヤ

っ!?

トーヤ

あ、ミリーさん!

ミリー

こんにちは。

 
 
続いて病室へやってきたのは
ミリーさんだった。

ミリーさんも大怪我の療養のために
僕の病室の通路を挟んだ向かい側の
病室で過ごしている。


すでに彼女はリハビリを開始していて、
状況を聞く限り来月には本格的に
剣術の鍛練を再開できるという段階まで
きているらしい。
 
 

ミリー

私、トーヤくんが
カレンさんと出会ったころの
話を聴きたいですね。

エルム

僕も知りたいです。

トーヤ

へぇ、ミリーさんって
剣術一筋って
イメージだったから
そういうことに
興味があるとは意外です。

ミリー

もう、トーヤくん。
ひどいですよー。

トーヤ

てはは、
ごめんなさい。

エルム

兄ちゃん、
気をつけた方が
いいですよ?

エルム

異性と仲良く
会話している姿を
カレンさんが見たら
機嫌が……。

トーヤ

大丈夫。
僕にはカレンだけだし、
きっとそのことを
カレンも分かってくれて
いるはずだから。

ミリー

おぉ、熱々ですねぇ。

カレン

……まったく、
そんなことを言われたら
怒れないじゃない。

トーヤ

あっ、カレン。

 
 
病室の入口へ視線を向けると、
そこにはカレンが立っていた。


そっか、今の時間はちょうど昼食時間で
診察は一時お休みなんだ。

その時間を使って来てくれたんだね。
 
 

カレン

トーヤ、調子はどう?

トーヤ

うん、もう大丈夫だよ。
みんなの許可さえあれば
すぐにでも現場復帰しても
問題ないくらい。

エルム

カレンさんこそ、
お体は
大丈夫なんですか?

カレン

うん。
トーヤの薬のおかげで
全快してるから。

エルム

愛の力ってやつですね?

カレン

からかうなっ!

カレン

まったく、
どこでそんな言葉を
覚えたんだか……。

トーヤ

ところで、カレン。
すぐに必要な薬とか
あるんだったら言ってね。
調薬するから。

カレン

その点に関しては
ご心配なく。
ティアナさんや
ライカさんが
調薬してくれてるから。

トーヤ

あ、なるほど。
それなら安心だね。

 
 
そういえば、
ティアナさんが調薬しているところ、
見たことがないなぁ。

ギーマ老師の直弟子としての腕を
この目で見たいなぁ。
 
 

カレン

そうそう、私、
女王様から
トーヤへの伝言を
頼まれていたんだった。

トーヤ

女王様から?

カレン

今夜、話があるから
病室に立ち寄るって。
お茶も用意するって。

トーヤ

あ、そうなんだ。
話ってなんだろう?

カレン

さぁ?

エルム

ねぎらいの言葉でも
いただけるんじゃ
ないですか?

ミリー

でも何かあるような
気がしますけどね。
ミューリエさんの性格を
考えると。

トーヤ

そうかもですね。

 
 
ミリーさんが言うように、
女王様のことだから確かに何かが
ありそうな予感がする。

話って何なんだろうな……?
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

【第2期スタート】第253幕 戦いを終えて

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