カレンの心を取り戻すことができた。
とりあえず第一段階は成功だ。
あとはギーマ老師の薬を調薬して、
カレンの体を元に戻すだけだ。
カレンの心を取り戻すことができた。
とりあえず第一段階は成功だ。
あとはギーマ老師の薬を調薬して、
カレンの体を元に戻すだけだ。
トーヤとライカは
俺と一緒に
調薬室で調薬の準備だ。
はいっ!
承知です!
カレン、お前も
調薬室で待機だ。
はいっ!
重傷者以外の
残りの連中には手分けして
薬に必要な原料を
集めてきてもらう。
転移魔法を使えるヤツが
何人かいるし、
デタックルのように
植物の知識があるヤツも
いるから大丈夫だろ。
俺はパシリか?
いいじゃない。
トーヤはそれだけの
働きをしたんだから。
ですですっ!
分かっている。
ギーマ、
必要なものを教えてくれ。
オイラがみんなに
指示を出す。
今、メモを書く。
こうして僕たちは役割分担をして
調薬のための行動に移った。
僕やカレン、ライカさんは
ギーマ老師の案内で、
ティアナさんの自宅の地下にあるという
秘密の調薬室へ移動。
ちなみにエーデルも
まだ傷が完治していない
ギーマ老師の補佐として付いてきている。
トーヤ、私さ、
ちょっとキミに対して
感心してるんだよね。
調薬の道具の準備をしていると、
エーデルが話しかけてきた。
でも口を動かしている暇があったら
手を動かせって
ギーマ老師に叱られそうだから
作業をしながら
受け答えをすることにする。
感心したって、なんで?
心の世界に
カレンの3つの人格が
いたでしょ?
トーヤがそれを
消さないって言ったから。
ふーん。そうなの?
普通はさ、
元の人格以外は
消そうとするもん。
トーヤが言っていたように
それって危険なんだよ。
ひとつを消した瞬間に
それがきっかけで
心が崩壊しかねない。
じゃ、
最適解だったわけだね。
何の知識もないキミが
それを選択できるなんて
思わなかったからさ。
それで感心したのさ。
そういうことは最初に
トーヤに教えておけ。
バカ!
痛っ!
いつの間にか近くにやってきていた
ギーマ老師に、
エーデルはゲンコツを食らっていた。
エーデルは涙を浮かべ、頭を擦っている。
天の邪鬼め。
取り返しの付かないことに
なっていたら、
どうするつもりだ?
そうなる前には
教えるつもりでしたよぉ。
どうだかな。
ギーマ老師、ひどぉい。
私にだって良心は
ありますよぉ。
信用できんな。
所詮はサキュバス、
精気を吸うことしか
考えていない
ドエロ種族だからな。
偏見だ!
その発言、撤回しろ!
やなこった。
ンなことより、
トーヤの邪魔をするな。
話し相手になら、
俺がなってやる。
茶も入れてやろう。
ティアナの隠していた
菓子を見つけたしな。
お菓子っ?
全部、食っちまおうぜ。
ギーマ老師も
ワルですなぁ、ケケケ。
お供しま~すっ♪
ふたりはニタニタと怪しい笑みを浮かべ
僕のいる部屋から出ていった。
意外に気が合う者同士なのかも。
いずれにしてもティアナさん、
お菓子がなくなっていることを知ったら
泣いちゃうだろうな……。
次回へ続く!