カレンの心の中に
入り込むことに成功した僕とエーデルは
カレンの3つの人格と接触した。
それぞれ置かれている現在の立場が
微妙に異なるみたい。
さて、どうすればいいのかな……。
カレンの心の中に
入り込むことに成功した僕とエーデルは
カレンの3つの人格と接触した。
それぞれ置かれている現在の立場が
微妙に異なるみたい。
さて、どうすればいいのかな……。
で、トーヤは
何をしに来たの?
心の中に勝手に
入ってこないで!
うーん、
その意見に関しては
私も同意かな。
私も。
ごめんね……。
僕は元のカレンに
戻ってほしくて
ここに来たんだ。
分かってる。
それはモンスターの
カレンを通じて
伝わってきてるから。
私は嫌です。
だって私は私だから。
私こそ主人格に
ふさわしい。
私が元の
人格なんだけど?
3人のカレンは自分こそが主人格であると
主張を始めた。
でもそれも当然だ。
自分は自分なんだから。
トーヤは私を消して
元の私に戻すつもり?
そんなことはしないよ。
だってキミもカレンだもん。
もちろん、
敵対していたキミもね。
っ!?
きっとどのカレンを
消したとしても
カレンの心には
大きなダメージが
出ると思うんだ。
へぇ……。
僕はカレンが大好きだよ。
世界中の誰よりも。
なっ!?
バ、バカじゃないの!?
こんな時に!
照れますね……。
元のカレンも
敵対していたカレンも
モンスターのカレンも
カレンはカレンだ!
どのカレンも
欠けちゃいけないんだ。
だけどやっぱり
僕としては元のカレンに
戻ってほしい。
どうするつもりよ?
元のカレンには
この2人のカレンを
受け入れてほしい。
敵対していたカレンと
モンスターのカレンは
元のカレンの
一部となることを
同意してほしい。
誰がそんなこと!
お願いだよ、カレン。
僕は敵対していたカレンを抱きしめた。
すると彼女は激しく暴れて抵抗したけど、
なぜか振りほどこうとはしなかった。
彼女の力なら、
僕なんて簡単に突き放すことが
できるはずなのに。
つまり彼女も根本は
元のカレンと同じカレンなんだ。
カレン、
キミが素直じゃないのは
分かってる。
そういうところ、
元のカレンと同じだよね。
う、うるさい……。
下民の僕に抱きしめられて
嫌じゃないの?
嫌なら離れるけど?
ダメッ!
え?
っ!? あ……その……
と、特別に今は……
許してあげるんだから
ありがたく思いなさい。
うん、そうする。
まったく、
こんなことをされたら
断れるわけが
ないじゃない。
私は私。
根本にある私の感情を
揺さぶられたら
抗えないんだから。
でもハッキリ
言っておくからね?
私はトーヤなんか
嫌いなんだから!
わっ!
敵対していたカレンは
急に僕を突き飛ばした。
そしてクスッと笑うと、
元のカレンの横へと移動する。
ばいばい。
そう呟くと、
敵対していたカレンは元のカレンの中へ
吸い込まれていった。
すると元のカレンを拘束していた
茨が消え、
モンスターのカレンと同じくらいに
存在感が高まる。
残るはモンスターのカレンだけど……。
次回へ続く!