カレンの心の中に
入り込むことに成功した僕とエーデルは
カレンの3つの人格と接触した。

それぞれ置かれている現在の立場が
微妙に異なるみたい。


 
さて、どうすればいいのかな……。
 
 

敵対カレン

で、トーヤは
何をしに来たの?
心の中に勝手に
入ってこないで!

カレン

うーん、
その意見に関しては
私も同意かな。

カレン?

私も。

トーヤ

ごめんね……。

トーヤ

僕は元のカレンに
戻ってほしくて
ここに来たんだ。

カレン

分かってる。
それはモンスターの
カレンを通じて
伝わってきてるから。

カレン?

私は嫌です。
だって私は私だから。

敵対カレン

私こそ主人格に
ふさわしい。

カレン

私が元の
人格なんだけど?

 
 
3人のカレンは自分こそが主人格であると
主張を始めた。

でもそれも当然だ。
自分は自分なんだから。
 
 

カレン?

トーヤは私を消して
元の私に戻すつもり?

トーヤ

そんなことはしないよ。
だってキミもカレンだもん。
もちろん、
敵対していたキミもね。

敵対カレン

っ!?

トーヤ

きっとどのカレンを
消したとしても
カレンの心には
大きなダメージが
出ると思うんだ。

エーデル

へぇ……。

トーヤ

僕はカレンが大好きだよ。
世界中の誰よりも。

カレン

なっ!?

敵対カレン

バ、バカじゃないの!?
こんな時に!

カレン?

照れますね……。

トーヤ

元のカレンも
敵対していたカレンも
モンスターのカレンも
カレンはカレンだ!

トーヤ

どのカレンも
欠けちゃいけないんだ。
だけどやっぱり
僕としては元のカレンに
戻ってほしい。

敵対カレン

どうするつもりよ?

トーヤ

元のカレンには
この2人のカレンを
受け入れてほしい。

トーヤ

敵対していたカレンと
モンスターのカレンは
元のカレンの
一部となることを
同意してほしい。

敵対カレン

誰がそんなこと!

トーヤ

お願いだよ、カレン。

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

 
 
僕は敵対していたカレンを抱きしめた。

すると彼女は激しく暴れて抵抗したけど、
なぜか振りほどこうとはしなかった。


彼女の力なら、
僕なんて簡単に突き放すことが
できるはずなのに。

つまり彼女も根本は
元のカレンと同じカレンなんだ。
 
 

トーヤ

カレン、
キミが素直じゃないのは
分かってる。
そういうところ、
元のカレンと同じだよね。

敵対カレン

う、うるさい……。

トーヤ

下民の僕に抱きしめられて
嫌じゃないの?
嫌なら離れるけど?

敵対カレン

ダメッ!

トーヤ

え?

敵対カレン

っ!? あ……その……
と、特別に今は……
許してあげるんだから
ありがたく思いなさい。

トーヤ

うん、そうする。

敵対カレン

まったく、
こんなことをされたら
断れるわけが
ないじゃない。

敵対カレン

私は私。
根本にある私の感情を
揺さぶられたら
抗えないんだから。

敵対カレン

でもハッキリ
言っておくからね?
私はトーヤなんか
嫌いなんだから!

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

トーヤ

わっ!

 
 
敵対していたカレンは
急に僕を突き飛ばした。
そしてクスッと笑うと、
元のカレンの横へと移動する。
 
 

敵対カレン

ばいばい。

 
 
そう呟くと、
敵対していたカレンは元のカレンの中へ
吸い込まれていった。

すると元のカレンを拘束していた
茨が消え、
モンスターのカレンと同じくらいに
存在感が高まる。




残るはモンスターのカレンだけど……。
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

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