ギーマ老師に声をかけられたエーデルに
みんなの視線が集まった。

彼女の役割は何なんだろう?
 
 

ギーマ

俺の薬を使っても
記憶や人格は戻せない。
そして薬を使ったら
現在の記憶や人格は
維持されたままだ。

ギーマ

また、薬を使うと
現時点での状態は
リセットされる。

タック

なるほど。
オイラにはなんとなく
分かったぞ☆

クレア

私も。
それならサキュバスが
ここにいる意味も納得ね。

クロード

そうですね。
だから服役中のエーデルが
司法取引か何かで
連れてこられたのですね。

 
 
この場にいる何人かには
エーデルさんの役割が分かったみたい。

でも残念ながら僕には分からない。

そもそも僕は
サキュバスという種族や能力について
詳しく知らないから。



僕が知っているのは
サキュバスが男性をたぶらかして、
人の精気を糧にしている
ということくらいだもんね。
 
 

ユリア

……そ、
そういうことかぁ!
私も分かった!

アポロ

知ったかぶりを
すんなよ……。
みんなにバレバレだぞ?

ユリア

う、うるさいっ!

ビセット

私にはさっぱりです。
分かりませんねぇ。

ビセット

サキュバスの能力が
人格補正に応用できるとか
考えも付くはずも
ありませんよ。

トーヤ

えっ?

タック

ビセット、
お前分かってて
やってるな?
わざとらしいぞ。

ビセット

えへへへ。

ロンメル

そういうことか。
ふむ、
なかなかのアイデアだ。
誰が考えついた?

ギーマ

セーラだ。
こういう事態になることを
相談したら、
即座に提案してきた。

ギーマ

アイツはやっぱり
天才だよ……。

エーデル

それで私は司法取引をして
この件に協力する代わりに
減刑してもらえることに
なったってわけ。

エーデル

ま、そもそも
セーラお姉様の頼みじゃ、
断るなんて選択肢は
ないからね。

 
 
エーデルは温泉街での一件以来、
すっかりセーラさんに
手なずけられているみたいだ。

果たしてそれが恐怖によるものなのか、
それとも崇拝によるものなのかは
分からないけど。
 
 

アレス

あの、エーデルの能力が
どう役に立つんですか?
そもそもサキュバスって
どういう種族なんです?

シーラ

アレスはそんなこと
知らなくていいんですよ?
知らなくていいんです。
大事なことなので
2回言いました。

アレス

う、うん……。
それはいいけどシーラ、
目が笑ってないよ?

シーラ

気のせいですよぉ。

ミリー

相変わらずですね、
シーラは。

エルム

あの、僕には未だに
分からないので
説明してください。

トーヤ

僕も分かりません。

ギーマ

サキュバスってのは
夢魔とも呼ばれている。
つまり夢の中に
入り込めるんだ。

ギーマ

夢ってのは潜在意識や
記憶に関係している。
つまり人格へ直接、
アクセスできるんだよ。

エーデル

そういうこと。
私にはその能力がある。

エーデル

その能力を使って
男性をたぶらかし、
良い想いをさせてあげて
精気をいただいてるの。

エーデル

一部のサキュバスは
廃人になるくらいまで
吸い尽くすワケよ。
私は趣味じゃないけど。

エーデル

だって
生かさず殺さずの方が
長い期間、
精気を味わえるからね。

 
 
エーデルは怪しく微笑んだ。
その姿はまさに悪人そのもの。
でもサキュバスとしては
これが本来の姿なのかもね。


ちなみに似ている種族として、
女性から精気を奪う
インキュバスと呼ばれている種族もいる。

いつか会う機会はあるかな……?
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

第244幕 サキュバスの能力

facebook twitter
pagetop