デリンさんの転移魔法によって
デリンさんとサララ、ギーマ老師、
そしてなぜか
サキュバスのエーデルが現れた。
エーデルは自警団に引き渡されたはず。
どうして彼女が
デリンさんたちと一緒にいるの?
この場にやってきた理由も不明だし……。
デリンさんの転移魔法によって
デリンさんとサララ、ギーマ老師、
そしてなぜか
サキュバスのエーデルが現れた。
エーデルは自警団に引き渡されたはず。
どうして彼女が
デリンさんたちと一緒にいるの?
この場にやってきた理由も不明だし……。
面食らっているようだな。
ま、当然か。
説明してください。
何が何やら
さっぱりですよ。
えとえとぉ、
それはですねぇ――。
サララ、
お前は黙ってろ。
ギーマ、
説明してやってくれ。
分かった。
デリンさんに促され、
ギーマ老師が一歩前に出た。
全員の視線が集まる。
俺はロンメルたちに
救出されてから
王都で治療を受けた。
精神は崩壊寸前、
体もボロボロ。
死の淵を彷徨っていたが
持ち前のしぶとさで
こうして持ち直した。
ゴキブリ並みの
しぶとさね。
ったくよぉ。
その口の悪さは
俺でも直すのは無理だ。
きっと死んでも直らんな。
クレアよ。
ありがとう。
褒めてねーし。
まぁまぁ……。
んで、
俺は監禁されている間、
監視役との雑談や
耳に入ってきた情報から
ヤツらの計画を理解した。
不老不死の薬以外にも
モンスター化の薬の開発、
ほかにも色々と
やっているようだった。
ほかにも色々?
それについては
あとで俺から話す。
あ、うん……。
アレスくんの問いかけに答えたデリンさん
少し表情が曇ったようだったけど
どうしてなんだろう?
今回の動乱の裏にはまだ何かあるのかも。
そしてヤツらが
カレンの体を使って
モンスター化の
最終実証実験をすると
知った。
実際、
そうなってましたね。
ひどいことを
しますよね……。
…………。
カレン……。
僕はカレンを優しく撫でた。
するとカレンは眼を細め、
心地よさそうにしている。
だがな、安心しろ。
カレンの姿を元に戻す
薬の製法を
俺は知っている。
ッ!?
ホントですか!?
お前、俺を舐めてんのか?
その言い方は俺の
薬草師としての腕と知識を
疑っているのと同義だぞ?
す、すみません……。
相変わらずギーマ老師は厳しい。
でもギーマ老師らしくて、少し安心した。
お父様とは全然違うタイプの薬草師だけど
どことなく通じるところがあるような
今はそんな気がする。
そういうわけで、
その製法をトーヤに
伝えに来たというわけだ。
人づてにするのは
難しい面があるからな。
それにもう俺は
調薬ができねぇ。
ヤツらの拷問の影響で
原料の細かい加減が
できねーんだよ……。
そんな……。
でも技術は伝えられる。
トーヤ、やれるな?
やってみせます!
良い返事だ!
それでこそレオンの
忘れ形見だ。
調薬はティアナの家で
やれるだろう。
地下の隠し部屋に
秘密の調薬室がある。
それなら道具や設備は
きっと無事ですね。
ただな、
この薬を使う前には
やらなきゃならない
ことがあるんだよ。
やらなきゃならないこと?
そこで私の出番って
わけなのよねぇ。
エーデルさんが得意気な顔をして
僕たちの会話に入ってきた。
カレンを元に戻すことと
エーデルさんって
何が関係しているんだろう?
次回へ続く!