……

あの子、いつも悲しい目をして言うんだ。

自分は上から見下ろしているだけなのに

君はただ自分らしく生きていればいいだけなのに

いつも、“ごめんね”って目で訴えてくる

眉を下げて笑う君を見ると、どうしようもなくもどかしくなる

僕はね、実はこんな鎖いつでも解けたんだ

僕を縛り付ける鎖はとても優しく儚かった

でも、解かなかった。解きたくなかった

僕が縛られていたんじゃない

彼女の“証(嘘)”を、手放したくなかった

僕が枷をかき集めて、ただ、まとわりつけてるだけだった

彼女はそれに気づいてた

気づいてて、知らないふりして、今日も、

「悪いのは君だ」

って、逃げない僕に言うんだ

pagetop