僕は引き続きフォーチュンで
敵に向かって小石を放ち続けた。

本当は金属塊を使いたいところだけど、
それはまだ我慢。
使いどころはきっと今じゃない。

――近い将来、必要になる時が来るはず!
 
 

トーヤ

やぁっ!

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

放った小石はいずれも見事に命中した!

それによってダメージを与えた
アンデッドやモンスターへのトドメは
前衛の皆さんが刺してくれる。




……ただ、敵の数が多くて
休む暇がないのが
心配なところではあるよね。

まだみんなの動きは問題ないし、
大きな怪我はしていないみたいだけど
やっぱり少しは疲れの色が見える。
 
 

レイン

えぇーい!
メンドくさいわね!
まとめて成仏しなさい!

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
するとその時、
レインさんが浮遊魔法で
上空に浮かび上がり魔法の詠唱を始める。

その周囲はタックさんが警護している。
 
 

レイン

…………。

レイン

不死者浄化!
(ターンアンデッド)

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レインさんの全身が輝き、
そこから放たれた無数の白銀の閃光が
広範囲に降り注いだ。

まるで光の雨というか、
もし夜だったら流星雨に見えるかも。




その光に触れたアンデッドは当然として、
近くにいたアンデッドさえも灰となって
風の中に消えていく。

高位だろうが低位だろうが、
アンデッドであれば無関係。
あの光の前では無力だ……。


きっと僕の想像もつかないくらいに
レベルの高い魔法なんだろう。
ほんの一瞬でアンデッドが
数十という単位で目の前から消えた。
 
 

トーヤ

これがレインさんの
実力か……。

 
 
魔族殺し(デモンキラー)として
多くの魔族に恐れられている
レインさんだけど、
モンスターに対しても
圧倒的な戦闘力を有しているんだな……。

もしかしたらクレアさん以上かも。
魔族のみんなが恐れるのも頷ける。

つくづく敵じゃなくて
良かったなぁって思う。
 
 

ユリア

あとは私に任せて!

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
ユリアさんはすでに使役している
ゴーレムに加え、
さらに十数体のゴーレムを
水中から創り出した。

それを一気に自動人形の兵団へぶつける。



ゴーレムって土や岩、砂などから
創り出すものが一般的だし、
そういうのしかないのかと思っていたけど
水から創り出すゴーレムもあるんだね。
 
 

ユリア

進みなさい、ゴーレム!

 
 
――まさに非生物同士の戦いだ。

ユリアさんの魔法容量には限界があるから
ずっとこのままというわけには
いかないだろうけど、
見る限りゴーレムの方が
攻撃力と耐久力が上みたいだから
しばらくは僕たちが優位だと思う。

それにアンデッドの数が激減したおかげで
ほかのみんなも自動人形を
倒していってるし。
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それからしばらく戦闘が続いた。

そして近付いてくるアンデッドや
自動人形を一掃し、
それでようやく戦闘は終了した。



――っていうか、
僕は敵の数をある程度まで減らしたら
先へ進むのかと思っていて、
まさか一掃するまでやるとは
全く想定していなかったんだよね。

副都攻撃グループのメンバーって
一人ひとりがすごすぎる……。



ただ、それでも無傷とはいかなくて、
みんな軽い怪我は負っていた。
だから僕がその治療をする。

ようやく僕の本領発揮という感じかな?



それが終わると僕たちは先へ進み始めた。
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

第213幕 副都攻撃グループの実力

facebook twitter
pagetop