エルムがラーニングしていた
転移集合魔法によって、
僕たちは副都攻撃グループと合流した。
これからはアレスくんたちと一緒に
副都のお城を目指す。
足手まといにならないように頑張らないと。
エルムがラーニングしていた
転移集合魔法によって、
僕たちは副都攻撃グループと合流した。
これからはアレスくんたちと一緒に
副都のお城を目指す。
足手まといにならないように頑張らないと。
道案内はタックに任せて
いいんだよね?
あぁ、そうだ。
かつてオイラはここへ
来たことがある。
細かな部分は
変わっていたとしても、
主要な施設の
位置関係なんかは変わって
いないだろうからな。
お喋りはそれくらいに
しておきましょう。
ぞろぞろと
お出ましのようだから。
っ!?
前方を見るとスケルトンやグール、
リビングメイルなどのアンデッドが
大量にこちらへ向かってきている。
全部で何百体くらいいるんだろう……。
さらにその後ろから見たこともない
自動人形の兵士の集団が
整然と前進してきていた。
いずれも何かの魔法がかけられているのか
それともアイテムの影響なのか、
水の上を歩いている。
足場の限られている僕たちには
少し不利かも。
これが地の利の差って
ヤツなのかもしれない。
それにしても――
……やっぱり
魔族の兵士の多くは
不老不死の材料として
命を奪われているんだ。
だからアンデッドや
自動人形などを
主要な戦力として
使ってるんだね……。
トーヤくん、
そんなに不安そうな
顔をしなくても
大丈夫だよ。
アレスくん?
気が付くと僕の前にはアレスくんがいて
ニコニコしながら声をかけてきていた。
どうやら僕が考え込んでいたのを
怯えているのだと勘違いしたみたい。
気に掛けてくれて嬉しいなぁ。
いざとなったら
僕がいるから。
うんっ!
でも僕だって
旅を通じて少しは
強くなったと思う。
だからアレスくんの
力になってみせるよ!
トーヤくん……。
なんだかすごく
頼もしくなったね。
嬉しいよ。
じゃ、後方からの
遠隔攻撃や怪我の治療を
お願い!
承知!
最後にアレスくんは笑顔で
僕の肩を軽く叩くと、
真剣な顔つきになって
みんなの方へと視線を向けた。
そしてこれから
戦闘の指示をしようとしている。
その凛々しい姿が眩しくて大きく見えて
カッコイイ。
胸が爆発しそうなくらいに高鳴る。
レインさんとタックは
前衛をお願いします。
任せてっ♪
おうっ☆
ミリーとビセットさんは
後方を守ってください。
はいっ!
お任せをっ♪
アポロは待機。
ユリアさんは
ゴーレムを召喚して
自動人形に対処して。
ま、戦いたいところだが
これだけの戦力なら
いざという時のために
待機も悪くないな。
アポロの出番なんて
ないわよ~っ!
んだとっ?
シーラは
トーヤくんと一緒に
回復担当。
分かりました!
僕は状況を見て
指示を送る。
直後、みんなは戦いを開始した。
まずはレインさんが前衛と後衛のみんなに
浮遊魔法をかけて戦いやすい状態にする。
こうして小舟には僕やアレスくん、
エルム、シーラさん、アポロが残った。
なお、僕はフォーチュンを手にとって
遠隔攻撃の準備をしつつ、
みんなの怪我や状態異常に備えて
いつでも薬を使えるようにしておく。
ただ、今回は回復魔法が使える
アレスくんやシーラさんがいるから
回復担当としての役割はあまりないかも。
さて――
…………。
アレスくんは唯一まだ指示をしていない
エルムに視線を向けた。
エルムは緊張した面持ちで
僕の服をギュッと掴み、
アレスくんの言葉を待っている。
次回へ続く!