バラッタ船長たちの船艦が
副都へ向けて砲撃を開始した。
町のあちこちから黒い煙が上がり、
それから一拍遅れて轟音が響いてくる。
見ている景色と音にズレがあるのを
目の当たりにするのはやっぱり変な気分。
これは音が空気を伝わる速さと
視界に入ってくる景色――
つまり光の速さにタイムラグがあるからだ。
――と、敵艦隊へ砲撃した時に
イリスさんが教えてくれたんだよね。
バラッタ船長もそうだけど、
船員さんは本当に物知りだと思う。
でも彼らから見たら
僕の薬草師としての知識や技術に対しても
同じような感想を持つだろうから
それと似たような感覚かもね。