クレアさんはアーシャさんと
対峙をしている。
そしてクロウと戦いを続ける
クロードとユリアさん。


一方、僕とライカさんは
魔方陣から召喚されるモンスターたちの
相手をすることになる。

でも倒しても倒しても
モンスターが現れるんじゃキリがない。


どうすれば……。
　
　

　
　
ライカさんは瞳に涙を滲ませ、
激しく狼狽えている。

心配してくれるのは嬉しいけど
今はみんなが全力を出さないと
いけない時だ。

僕はライカさんの肩を軽く手を置く。
　
　

　
　
ライカさんは俯いて黙ってしまった。

肩に置いた手から
小刻みな震えが伝わってくる。
唇を噛み、必死に涙を堪えている感じだ。


僕はライカさんと目を合わせ、
ニッコリと微笑む。
　
　

　
　
ライカさんは目を丸くしていた。

でも不意にクスッと笑い、
すぐに真顔になって僕を見つめてくる。


そういえば、こんなに近い距離で
ライカさんの顔を見るのは
初めてかもしれない。

こんな時に不謹慎かもしれないけど
ライカさんってやっぱり美人だと思う。
　
　

　
　
　
僕は魔方陣へ駆け寄った。

その間にも召喚され続けるモンスター。
それをライカさんが光系魔法で
殲滅していく。


そして魔方陣に辿り着いた僕は
魔方陣に手で触れる。
　
　
　

　
　
全身に走る電撃のような痛み。
でもこの程度ならなんとか耐えられる。

いや、耐えなきゃダメなんだ！
　
　

　
　
僕は夢中で魔法力を放出した。

僕が魔法力を扱えるようになったのも
ロンメルに血を吸われたおかげ。


そのロンメルも今は僕の使い魔になって
しかも通路で戦ってくれている。
彼のためにも負けていられない。
　
　
　

　
　
　
やがてボクの魔法力が
尽きようかという時、
魔方陣は消滅していった。
それによってモンスターの召喚も止まる。

やった……やったぞ……。
　
　

　
　
僕は満面の笑みでライカさんの方へ
視線を向けた。


でもそこには信じられない光景が
広がっていた。
なんとクロウがライカさんの頭を掴んで
こちらをニヤニヤと眺めていたのだ。

ライカさんはピクリとも動かず
手足はあり得ない方向へ曲がっている。



一方、クロードとユリアさんは
フロアの隅に倒れたまま動かない。

さらにたった今、
クレアさんまでもがアーシャさんの
一撃を受けて床へ倒れ込む。
　
　

　
　
ライカさんは低いうめき声を上げるだけ。
つまりまだ生きているってことだ。

命を落としていないのはよかったけど、
いつクロウにトドメを刺されても
おかしくない状態というのも確かだ。
　
　

　
　
僕は涙を流しながら懇願した。
でもクロウはやめる気配がない。

もう……だめだ……。
　
　

　
　
　
次回へ続く！