僕たちはトイトイ砦に攻め込んだ。
当然、
途中でモンスターたちに遭遇したけど、
数は少ないしそんなに強くもない。
順調に砦に辿り着き、
地下の通路を進んでいる。
僕たちはトイトイ砦に攻め込んだ。
当然、
途中でモンスターたちに遭遇したけど、
数は少ないしそんなに強くもない。
順調に砦に辿り着き、
地下の通路を進んでいる。
やはり打って出て
正解だったな。
守っているヤツは
ザコだらけだ。
頼りになるよ、ロンメル。
そういえば、
手下のアンデッドたちは
無事なの?
そこそこダメージを
食らっている。
さすがに万全な状態で
動けるヤツは少ないな。
俺のように
真祖のヴァンパイアなら
回復も早いのだが。
……じゃ、その回復が
出来ないくらい
完全に滅してあげる。
通路の前の方から声がした。
そして徐々に足音が近付いてきて
僕たちの前に姿を現す。
魔族とは雰囲気が違うみたいだけど……。
私と出会ったからには
絶対に逃がさないから。
貴様っ!?
ヴァンパイアハンターか!
それを即座に見抜くとは
さすが真祖の
ヴァンパイアね。
私はエレナ。
ヴァンパイアハンターよ。
ちっ……。
ロンメルは苦虫を噛み潰したような
顔をした。
かなり焦っているような感じ。
ここまで余裕のない姿を見るのは
初めてかもしれない。
ヴァンパイアハンターということは、
ロンメルにとっては
天敵みたいなものなんだろうな。
なんだか胸騒ぎがして収まらない……。
お前たちは先に行け。
この場は俺が食い止める。
でも……。
そうしてくれるなら
私はほかの人たちに
手を出さないわ。
えっ?
なぜなら私の目的は
ヴァンパイアを
退治することだから。
魔族の世界に興味はない。
だったらなぜ
あなたは魔族の戦いに
荷担しているのです?
荷担している
つもりはないわ。
私はただ、
ここにいればヴァンパイアに
出会えると聞いて
待ち構えていたに過ぎない。
誰に聞いたのです?
クロウとかいう魔族よ。
この地下の最深部に
いるんじゃない?
クロウっ!?
まさかまたその名を聞くことになるとは
なんて因縁なんだ。
今回も僕たちの前に立ち塞がったのが
彼だなんて。
彼が相手となると厄介だ。
かなりの実力だし。
――あ、でも今回は実力者の
クレアさんがいるからなんとかなるかな?
それを喋ってしまって
良いのですか?
平界に住む私としては
魔族同士が
つぶし合ってくれる方が
好都合だからね。
なるほど……。
では、
そろそろ戦うとしよう。
俺も久々に最初から
本気を出さねばな。
相手がダンピールでは
わずかな隙でも
命取りになる。
っ!? へぇ、
そこまで気付いてたんだ。
ダンピール?
ヴァンパイアと人間の
ハーフです。
ダンピールは
ヴァンパイアに対抗する力を
生まれつき持っている。
ロンメルにとって
これほど厄介な相手は
いないわ。
ロンメル……。
安心しろ。
俺は真祖のヴァンパイア。
そこらのヴァンパイアとは
格が違う。
さぁ、トーヤ。
先へ進むのだ!
ロンメルはエレナさんに襲いかかった。
それに対してエレナさんは
ニヤリと笑いながら
腰に差していた剣を手にとる。
うあ……素材は銀だ。
あんなので斬りつけられたら
僕たち魔族はたまったもんじゃない。
しかも剣には何かの魔法が
込められている感じがする。
ロンメル、負けないで!
僕たちは戦いを始めたロンメルを横目に、
通路の奥へと進んだ。
次回へ続く!