僕たちはお師匠様の亡骸を
里の墓場に埋め、
あとのことをルシードにお願いしてから
クリスさんの転移魔法で調薬室へ戻った。

その時には東の空が
少し明るくなり始めていて
あっという間に朝になってしまった。
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それから数日が経過し、
アレスくんたち『副都攻撃グループ』は
王都を出発した。
彼らは最短ルートで副都を目指すらしい。

――そして本隊である僕たちは
半日遅れとなる今、王都を出発する。


名目上の目的は
苦戦を強いられている
トイトイ砦の加勢だ。

その拠点となるのが
最初に目指すウエストサイドという町。
位置はポートゲートのやや手前になる。


途中までは見知った道を
進むことになるから迷わないだろう。
それに馬車に乗っているから
あまり疲れなくて済む。

……お尻は痛くなるかもだけどね。
 
 

トーヤ

お父様の犠牲を
無駄にしないためにも
僕は絶対に
カレンを助け出す!

アポロ

どうした、トーヤ?
そんなに緊張しなくても
大丈夫だよ。

アポロ

俺様がいるんだ。
大船に乗った気でいろ。

 
 
アポロはカラカラと笑いながら
僕の背中を叩いてきた。

彼の元気さは傷付いた僕の心を
そよ風のような優しさで
癒してくれるようなそんな気がする。


ちなみに僕とロンメル、クレアさん以外は
この遊撃グループが副都攻撃の
本隊だということを知らない。

真相については時期を見て
クレアさんが説明するらしい。
 
 

トーヤ

あ、うんっ!
頼りにしてるよ。

ユリア

大船ねぇ。
泥舟じゃないの?

アポロ

なんだとぉっ?

 
 
アポロとユリアさんは
相変わらず仲が良いなぁ。
本当に羨ましい。

その姿を見ていると、
僕とカレンの姿がダブって見えて
ちょっと胸が苦しいけど……。
 
 

ライカ

トーヤさん、今日は
どこまで進みますか?

トーヤ

そうだなぁ。
ロンメルやエルムは
どう思う?

 
 
僕は馬車を操っているロンメルと
その横に座っているエルムに声をかけた。

すると2人は
チラリとこちらに視線を向けて
返事をしてくる。
 
 

ロンメル

俺たちは遊撃グループだ。
急ぐ必要はない。
次のネーデル村に
滞在するのも
良いのではないか?

トーヤ

……さすがロンメル。
真意がバレないように
言ってくれたんだろうな。

エルム

ロンメルはバカですか?
進める時に進んでおくのが
旅の鉄則だというのに。

ロンメル

何も知らんガキは
黙っていろ。

エルム

なんだとぉ?

 
 
エルムとロンメルも
アポロたちに負けないくらい仲が良い。

こっちは羨ましいというよりは
微笑ましいって感じかな。
 
 

トーヤ

あはは……。
ライカさんは
どう思います?

ライカ

そうですねぇ。
ネーデル村の次にある
ウェイブの町は
いかかですか?

トーヤ

何かあるんですか?

クレア

ウェイブはギガル川という
大河沿いに作られた町よ。
運良く船を調達できれば
時間も距離も短縮して
移動できるわ。

ライカ

そういうことです。

 
 
さすがクレアさんだ、物知りだなぁ。


でもライカさんはどうしてその情報を
知っているのだろう?

ライカさんはサンドパークにずっといて、
ほかの町にはあまり行ったことがないって
聞いていたような気がするけど。
 
 

トーヤ

ライカさん、
よく知ってますね?

ライカ

母方の祖父母が
そこの出身なんです。
一度だけ
行ったこともあって。

ライカ

でも幼い頃の話なので
具体的な記憶は
ないんですけどね。

トーヤ

そうだったんですか。

クレア

トーヤ、今日は
そこでいいんじゃない?
このペースで進むと
日没直後くらいに
着くと思うし。

トーヤ

では、ウェイブを
目指しましょう。

ロンメル

待て。その前に
お客さんのようだ。

トーヤ

えっ?

クレア

そのようね。
すんなりと旅をさせて
もらえないみたいね。

 
 
クレアさんは立ち上がり、
剣を構えて外へ飛び出した。


その先には数体のモンスターがいて
僕たちの進路を塞いでいる。

逃げられそうにないな……。
 
 

グルルルル……。

 
 
 

ライカ

トーヤさん!
あのモンスター、
見たことがありませんか!

トーヤ

あっ!

 
 
よく見てみると、
それはサンドパークからノースエンドへ
移動する時に乗った
陸走船で遭遇したモンスターと似ていた。


確かその時は幼い女の子が
クロウの薬によって
変身させられていたんだよね。

あの時は1体だけでも苦戦したというのに
今回はそれが
集団で現れたというのが厄介だ。
 
 

 
 
 
次回へ続く!
 

第167幕 いきなりのバトル!

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