第二試練が終わると、

参加者は再び広間に戻るように告げられた。

広間に戻るには、

長い廊下を戻っていかなければならないので、

敬介は美咲と一緒に歩いていった。

…………。

…………。

…………。

もちろん、

二人の後ろには鈴香がおり、

妙な空気からお互い話すことができない。

広間へ到着すると、

最初の時よりも人数が減っていることに気付いた。

なんか減ってない?

うん。

そんな状態なので、

グループで固まっている者達はよく目立つ。

…………。

…………。

…………。

…………ん?

修太は敬介達を発見すると、

こちらへ手を振ってきた。

…………。

あら……。

あいつ!

ふふ。

もちろん、他の三人もこちらを見ている。

あいつら全員残ったのか……。

嫌な感覚だけではなく、

どこか安心もあった。

あんだけ大口叩いておいて、残ってないわけないよな。

第二試練でのことから、

まずは光術士と認められるのが先だと感じたので、

直接喧嘩をふっかけてきた四人組には、

特に実力を証明したかったのだ。

…………。

そして、

広間の奥からしばらく姿を見せていなかった、

不気味な案内人の男がやって来た。

広間にいる参加者のほぼ全員が、

歩いてくるその姿を見ている。

…………。

その男の元へ鈴香が早足で近づき、

男の耳元で何かを囁く。

そうか、やはりな。
では、予定通り頼むぞ。

承知致しました。

何かを聞いた男は、

不気味に笑みを浮かべ、

またも広間から立ち去った。

…………。

皆の視線が自らに集まっているのを察し、

鈴香は口を開く。

皆様、お待たせ致しました。
まずは、第二試練突破おめでとうございます。
残っている参加者は、ここにいる11名と第一試練免除の3名、合わせて14名です。
それと、諸事情で皆様より遅れて第二試練に挑んでいた3名ですが、これからこの広間へと合流します。

鈴香が右手を挙げて合図をすると、

数人の黒装束達が、

手押しの大きなワゴンを運んで来た。

そのワゴンの上を見ると、

湯気が立った料理が数多く並べられており、

広間の中央へ用意された、

とても大きなテーブルへ置かれていく。

第三試練の前に食事休憩と致します。
まずは、皆様ごゆっくりお寛ぎください。
2時間後に、この広間に集合です。
では……。

そう告げると、

鈴香は黒装束達と広間を出て行った。

はぁ。

テーブルに並ぶ豪華な食事を見て、

敬介のお腹が鳴った。

昼ご飯食べなかったからな。

私も緊張してて食べてなかった。

二人してお腹を抑えながら、

食事の方を見つめた。

バラバラになっていた参加者らは、

テーブルの周りに集まって、

取り皿に食事をよそっていく。

うわー!
ハンバーグが沢山!!

野菜も食べないとダメよ。

俺、食いたい気分じゃねぇよ。

次はいよいよ実践なんだから、食わないと持たねーだろ?

…………。

敬介のお腹の音がまた鳴り、

お腹をさすって美咲を見る。

俺達も食べに行こう。

うん。


二人はテーブルへ向かった。

ケーキバイキングみたい!

美咲が最初に見たテーブルには、

数種類のミニサイズのケーキがあり、

目を輝かせている。

コロッケパン……は、さすがにねぇか。
でも、豪華過ぎて何から食べるか迷うな。

ざっと、

テーブルをあちこち見回したが、

好物のコロッケパンは見当たらなかった。

第3章--認証試練編--(78話)-休息①-

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