それから数日が経過し、
充分な量の回復薬が完成した。
これでしばらくは新たに調薬しなくても
大丈夫だと思う。
そしてその状況になったところで
僕やアレスくんたちは女王様に呼び出され
会議室へ集まっていた。
この場には僕やアポロたちのほか、
アレスくんと一緒に魔王ノーサスと戦った
ほとんどのメンバーが揃っている。
このそうそうたる顔ぶれを見ると
僕なんかが戦力になるのだろうかと
不安になってくるなぁ……。
それから数日が経過し、
充分な量の回復薬が完成した。
これでしばらくは新たに調薬しなくても
大丈夫だと思う。
そしてその状況になったところで
僕やアレスくんたちは女王様に呼び出され
会議室へ集まっていた。
この場には僕やアポロたちのほか、
アレスくんと一緒に魔王ノーサスと戦った
ほとんどのメンバーが揃っている。
このそうそうたる顔ぶれを見ると
僕なんかが戦力になるのだろうかと
不安になってくるなぁ……。
さて、皆に
集まってもらったのは
ほかでもない。
今後のことを
話し合うためだ。
この場にいる者たちには
特別な任務に
当たってもらう。
特別な任務?
知っての通り、
ギーマが敵の手に
渡ってしまった。
これは由々しき事態だ。
今だから話すが、
ヤツは不老不死の薬を
作ることができる。
女王様はギーマ老師のことについて
僕たちに経緯と事情を説明した。
それを聞くとその場にいた
みんなの表情が曇る。
そうだよね、状況は最悪だもんね。
そういうことか……。
確かにまずいな。
王都を攻めているのは
その一味と
繋がる輩だろう。
だからこそ、
不老不死の薬を
増産される前に
決着を付けたい。
目的はやっぱり
女王様の命でしょうか?
それだけじゃないわね。
おそらく魔界の支配。
お決まりよね。
悪党の考えそうなことよ。
だが、ベタだからこそ
敵の小者感は否めん。
ククク……。
ロンメルは楽しそうだなぁ。
笑っていられない事態なのに。
いずれにしても、
放っておいたら関係ない人たちまで
巻き込まれちゃうのは間違いない。
それだけは避けないと。
で、俺たちにどうしろと?
私たち魔族は魔法が
使えないわけだしね。
出来ることなんて
限られてるわ。
それは王都の回りだけだ。
ある程度離れた地域では
影響を受けない。
オイラが
確認してきたんだから
それは間違いないさ~☆
だから信用できないって
言ってんの。
このボケボケ賢者。
なんだと~!
まぁまぁ……。
レインさんとタックさんは
相変わらずだなぁ。
でもおかげで少し場が和んだ気がする。
話が深刻すぎて空気が重かったもんね。
そこでだ、
ここにいる者たちを
4つのグループに分け
反転攻勢に出ようと思う。
どういうこと?
それぞれ同時進行で
敵を追い詰める。
――クレア、説明を。
女王様に促され、
クレアさんはみんなの前に出た。
そして黒板の真ん中に十字線を描いて
四分割する。
あ、ロンメルはその十字線が
十字架に見えて苦しんで――ないね……。
さすが真祖のヴァンパイアだ。
まず、王都を守るグループ。
敵はミューリエを
狙っている以上、
このグループは必要ね。
女王様が自ら打って出る
という作戦はダメですかぁ?
私が動くということは
私の居場所が不確定になる
ということだ。
つまり敵は魔界全土で
大規模な行動を起こす。
そうなると
ほかのグループが
動きにくくなってしまう
可能性が高まる。
それはマズイですね。
それぞれのグループが敵と
不意に鉢合わせをして、
各個撃破されてしまう
かもしれません。
いくらザコでも
数で押されると
ツライものがあるからな。
そういうことだ。
それよりは
明らかな攻撃目標が
あった方がよいだろう?
囮というわけだな。
なるほど、女王様の言う通りだ。
敵の戦力を王都に集めさせた方が
守りやすいし、
ほかのグループも活動しやすい。
もちろん、こちらもそれなりの戦力で
迎え撃たなければならないけど、
籠城策ならお城の守備力もあるから
兵力が少ない状態では
野戦より有利かもしれない。
次に平界とのゲートを
守るグルーブ。
人間を人質にされると
厄介だから。
アレスたちは優しいから
盾にされたら
抵抗できなくなって
しまうでしょう?
そうですね……。
次に副都攻撃グループ。
ここはアレスに
率いてもらうわ。
分かりました。
やっぱり主力を率いるのは
勇者であるアレスくんしかいないよね。
できれば僕もそこのグループに
入れてほしいなぁ。
足手まといになっちゃうかもだけど……。
最後は遊撃グループ。
このグループは状況を見て
各グループの加勢に
回ってもらう役割ね。
ここにはトーヤ、
あなたが入って。
僕ですかっ!?
あなたの調薬能力を
活かしてほしいの。
ピンチになっても
治療が出来るでしょ?
そういうことですか。
なるほど、分かりました。
アレスくんと一緒のグループに
なれなかったのは残念だけど、
適材適所を考えれば仕方ないよね。
あとでカレンのことを
もう一度しっかりお願いしておかなきゃ。
転移魔法が使えて
自由に動ける私も
遊撃グループに入るわ。
それが適任かもな。
ま、王都と女王様のことは
俺に任せておけ。
で、グループ分け
なんだけど、
確定しているのは――
クレアさんは黒板に
何人かの名前と役割を書いていった。
そこに示されたのは次の通りだった。
~王都守備グループ~
※全軍総司令&
グループリーダー
※グループ副リーダー
~平界守備グループ~
※グループリーダー
※グループ副リーダー
~副都攻撃グループ~
※全軍副司令&
グループリーダー
※グループ参謀
~遊撃グループ~
※グループリーダー
※全軍参謀&
グループ参謀
ほかの人は
未確定なんですね?
そういうことね。
希望があれば
可能な限り聴くわ。
ただし、バランスを考えて
最終的に変更が生じる
可能性はあるけど。
見回してみると、
未確定のままの全員が考え込んでいた。
僕は確定しているから気楽だ。
だって悩まなくていいもんね。
どんな組み合わせになるんだろうなぁ。
次回へ続く!