僕たちは回復薬の調薬を続け、
完成したものは
エルムとサララが運んでいった。
どうやらふたりはその仕事を
レインさんから任されたらしい。
こうしてその日は夜遅くまで調薬を続け、
そのあとはティアナさんやライカさんと
交代制で断続的に調薬することになった。
ある程度の量が出来るまでの数日間は
この態勢を維持する必要が
あるかもしれない。
僕は簡単な夕食を済ませたあと、
しっかりと眠った。
そして深夜に起きて調薬室へ向かう。
僕たちは回復薬の調薬を続け、
完成したものは
エルムとサララが運んでいった。
どうやらふたりはその仕事を
レインさんから任されたらしい。
こうしてその日は夜遅くまで調薬を続け、
そのあとはティアナさんやライカさんと
交代制で断続的に調薬することになった。
ある程度の量が出来るまでの数日間は
この態勢を維持する必要が
あるかもしれない。
僕は簡単な夕食を済ませたあと、
しっかりと眠った。
そして深夜に起きて調薬室へ向かう。
ライカさん、
お疲れさまでした。
交代の時間ですよ。
あ、トーヤさん。
それではあとは
お願いします。
しっかり
休んでくださいね。
トーヤさんこそ
無理はなさらずに。
あなたにもしものことが
あったら……その……
イヤですから……。
はいっ!
…………。
ライカさんは調薬室を出ていった。
なんか頬が真っ赤だったけど大丈夫かな?
風邪をひいたんじゃなければ
いいんだけど。
さて、やるぞ~!
僕は作業を引き継ぎ、
回復薬の調薬を始めた。
そしてそれからしばらくしてから
ドアがノックされて何者かが入ってくる。
こんな深夜に誰だろうな?
こんばんは。
アレスくんっ!
トーヤくんが調薬室で
がんばってるって
聞いたから来ちゃった。
ちょっとだけ話をしても
大丈夫かな?
もちろん!
少しくらいなら
みんなも許してくれるよ。
まさかアレスくんが来てくれるなんて
思わなかった! すごく嬉しいっ!!!
アレスくんだって戦ったり
回復魔法を使ったりしていて
疲れているはずなのに。
――そういえばお城に戻ってきてから
まだみんなと会ってなかったなぁ。
女王様やタックさん、アポロ、ユリアさん、
それにシーラさんにも会っていない。
みんな忙しいんだろうなぁ……。
僕はアレスくんに椅子を差し出し、
作業を続けながら話をする。
あのあと何があったのか、
話は聞いたよ。
大変だったね。
うん……。
僕に力が
ないばっかりに……。
僕もカレンさんを
助けるために力を貸すよ。
彼女も僕の仲間だから!
ありがとう。
そう言ってもらえて
嬉しい。
当然じゃないか。
一緒にがんばろう。
あの……さ……。
アレスくん。
お願いがあるんだけど。
なぁに?
ギュって
抱きしめてもいい?
なんだ、そんなことか。
もちろんだよ。
アレスくんの温かさと匂いが伝わってくる。
あぁ、僕はしあわせだ。
憧れの人とこうしていられるなんて。
その時、ドアがまたノックされた。
深夜なのにお客さんが多いなぁ。
僕はアレスくんから離れ、
『どうぞ』と返事をすると
ドアが開いてその人は入ってくる。
おっ?
アレスもいたのか。
ミューリエ!
女王様っ!?
なんと調薬室にやってきたのは
女王様だった。
まさか僕なんかのために
会いにきてくれたってことなのかな?
なんて光栄なことなんだろう。
恐縮しちゃうな……。
トーヤ、
戻ってきて早々、
仕事をしてもらって悪い。
いえっ、
とんでもないです。
これは僕の役目ですから。
アレスはトーヤと逢瀬か?
そうだよっ♪
ミューリエ、嫉妬した?
ア、アレスくん……。
はっはっは。
アレスも
言うようになったな。
ミューリエこそ、
ひとのことは
言えないんじゃない?
ま、そうだな。
昼間は立場上、
自由に動けんからな。
いやいや、こうして
密かに動くことこそ
マズイと思うけど。
万が一の時はアレスが
守ってくれるのだろう?
安心ではないか。
またまたぁ。
僕より何百倍も
強いクセに……。
でもその時は
命を賭けて守ることを
誓うよ。
……ふふ、それでよい。
なんだか、アレスくんと女王様って
本当に信頼し合っているんだなぁ。
ふたりのこんなに穏やかな顔を見るのは
初めてかもしれない。
なんだか新鮮に映るなぁ。
アレスもトーヤも
無理はせずにな。
ふたりは私にとって
かけがえのない
仲間なのだからな。
うんっ!
はいっ!
では、茶を入れてやろう。
茶葉を持ってきた。
トーヤ、
調薬室の道具を借りるぞ?
その後、女王様は僕たちに
お茶を淹れてくれた。
かつて執務室でご馳走してくれた
ブレンドのお茶だと思う。
でも今日のお茶はあの時の何十倍も
美味しく感じた。
次回へ続く!
ご覧いただきありがとうございますっ! この三人はお互いにいい関係なのでっ、見ていてホッとしますっ♪ こんなのんびりなメンバーが、平界と魔界の運命を握っているというのも面白いですね。