授業も終わって昼休みが始まった。

そして、

敬介はすぐに席を立って前川へと声をかける。

前川、昼飯買いに行こうぜ。

形山から声かけてくるなんて珍しいな。

なんたって、今日は購買部のコロッケパンに新商品が出る日だからな。
購買部のアンケートを熱心に出し続けたかいがあったよ。

そこまでしてたのかよ……。

何度もアンケート用紙に、

自らのコロッケパンに対する熱意を書き続けた結果、

新商品の入荷が決定し、

それが今日の昼休みから発売なのだ。

まぁな。
よっしゃ行こうぜ。

新商品
「チーズコロッケバーガー」
限定10個

おー!
新商品はバーガータイプかー!!

新商品の手書きポスターを見つけて、

敬介はテンションMAXで購買部の列に並んだ。

あいよ。
チーズコロッケバーガーね。

おばちゃん、どうも~。

おばちゃん。
チーズコロッケバーガー頂戴。

ごめんね。
さっきの男の子が買ったので最後だわ。

な?
追加入荷の予定は?

今のところないねぇ。

そんな……。

ん?

食欲もやる気も湧かねぇ。
早退しようかな。

形山、そんなにへこむなって。

購買部にも予約制度が欲しいよな。
絶対。

失礼しま~す。
さっき、チーズコロッケバーガー買い損ねた先輩って、ここにいますか?

形山、お前のことじゃね?

え?

おーい、ここにいるぜ。

あの~、これどうぞ。

もらっていいのか?

はい。
適当に選んだパンの内の1個なんで。

ありがとう!!

じゃあ、どうぞ。

今お金渡すから待ってて。
はい、200円。

どうも。

つーか、わざわざ持ってきてくれるなんて凄いな。

全然気にしないでください。
1年はもうテスト終わったけど、2年はこれからじゃないですか?
好きな物食べて力つけた方がいいと思って。

たしかに、もうすぐだからなぁ。

じゃあ、俺は失礼します。

おう、ありがとな。
そうだ、名前は?

相坂 修太(あいさか しゅうた)です。
では。

そういって、

この1年生は敬介たちの教室を出て行った。

では、さっそく。

うめぇー!!

良かったな。

昼休みも残り5分程となり、

校舎の裏側では電話で誰かと話している人物がいた。

へー。
そこの学校の生徒だったんだ。

うん。
まさか、同じ学校にいるとは思わなかったけどね。
購買ですれ違った時に、ちょっとだけ光力が漏れてたからさ。

そう。
で、どんなやつだったの?

アホっぽい感じだったかな。
なんで、あのカラウがあの男を弟子にしたか分かんないよ。

なら、あんまり楽しめないかな。

たぶんね。

第3章--認証試練編--(64話)-新商品-

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