ユフィの忠告がどうも飲み込めないアデルは、テーブルの上のブルーベリーのタルトにフォークを刺した。
何か知っていることを
教えてくれませんか?
ワシはそういうのは
知らんのよ。
訓練場の長である貴方が
何も知らないわけないでしょ。
ほんまじゃって。
ワシ、あーゆーのは
苦手なんじゃって。
立場上言えないことも
あるんでしょう。
それくらいの事情も
想像できます。
差し支えのない部分だけで
結構ですので。
皆ビックリしよるんじゃが
ほんまに知らんのよ。
ぶん殴る方が速いけんね。
こっちは真剣に
聞いているのよ!
まー、落ち着かんね。
知らんもんは
どうしようもなかとね。
そんなケンケンしよったら
可愛い顔が台無しじゃけ。
!!
か……かわ……
ワシもあと2歳若ければ
ほっとかんのにのぉ。
歳は取りたくないもんじゃのぉ。
じっ、時間の無駄だったわ!
っていう散々な結果よ。
本当に知らないのでしょうか?
確かに嘘をついてるようには
見えなかったけど
そう簡単には信じたりしないわ。
エンゲージコアの事は
マスターリーベに
任せきりとか……。
場長と言えども知らない事が
あるんじゃないですか?
まぁ、どちらにせよ
今は刻弾を出せるように
なるのが先決ね。
リュウが出せたのなら
私達でも出せるハズよ。
深くE.コアを知るのは
それからでも遅くないわ。
はい、
明日も頑張りましょう。
それと……
何でしょうか?
場長には気を付けた方がいいわ。
あれは絶対に手が早いわよ。
え!?
気を付ける?
確かにここで乱闘した時は
速かったですけど……。
え、え~と……
さっき話したでしょ。
気を付けるなんて
言ってましたっけ?
もぉ~、
アデルには早いのよ。
えっ!?
私も速いのですか?
えぇ~、そ、そうじゃなくて……
と、兎に角!
場長には気を付けなさい!
場長は素敵な方だと
思うんですけど……。
ユフィの忠告がどうも飲み込めないアデルは、テーブルの上のブルーベリーのタルトにフォークを刺した。
おっ、アデルちゃん。
もうデザートの時間か。
ダナンさん、
ジュピターさんも
訓練ご苦労様です。
ダナンとジュピターが食堂に入ってきた。ユフィの照れた表情が素の状態に戻る。
刻弾の集中の練習は
上手くいかないけど
身体動かすのは
慣れっこだから
なんてことないぜ。
旦那は暴れ回ってる方が
お似合いだもんな。
そうですね。
でも迷宮に入る前には
刻弾を出せるようにしないと
いけませんよね。
なかなか苦戦しそうだな。
まぁ、
リュウにコツでも聞くか。
なんとかなるって。
冒険者は誰でも出せんだろ。
あ、リュウさん。
お疲れ様です。
お疲れ~。
今日もキャロウェイに
殺されるんじゃないかと
思ったよ~。
相変わらず厳しいのね。
無理のしすぎは
よくないわよ。
はいよぉ~。
刻弾の存在を知った後でも、何も変わらない面々。そこにまだ刻弾のことを知らないメナが入ってきた。
お疲れ様。
皆~、どうだった?
新しい講義は?
メナの変わらぬ笑顔は自然だった。
迷惑な邪魔が入っただけで、
その他は問題なしね。
何かあったの?
あれ?
ハルどうしたの?
元気ないね?
最初から居るのに、一言も発していないハルがテーブルの端っこで縮こまっている。
い、いやぁ~、
色々あったんすよ。
ハル=ビエント氏曰く――。
旦那が指突っ込むって
言ってたっすから
あははははは、
ハルらしいね。
メナは今日の講義であった出来事を笑い飛ばした。実際に現場を見ていないという理由もあるが、ハルのアホさ加減を織り込み済みと言った感じだ。
最初に気付いた時は、
驚きましたけどね。
まさか流血するまで
耳に指突っ込むなんてな。
そりゃあリーベも
戸惑うよな。
あー、でも
血液の流れは
バッチリ聞けたっすよ。
ハル達は今日も平和な夕食を過ごした。
ハルさんのこういうところ、大好きです……! 大事に至らなくてほっとしてます。
ユフィさんの照れてらっしゃるイラストが可愛いですが、一方のアデルさん……
アデルは最初からあるアイコンで未使用のものです。目が点状態でコミカルですな。
ユフィはツンデレなので、チョイチョイ出ててきます。
ハルの話をまたぐアホさ加減で困惑されると思ったのですが、やってしまえの構成です。話読み飛ばしてしまったと思ったのではないでしょうか。コメントありっす。
コメントメルシー御座います。
前回のコメントを見た時、ドキッとしましたw
ハルの天然さを想像出来るとはやりますな、よしじろさん。
メナが元気なのを喜んで貰えるのは嬉しい限りです。
るりルシすぁんコメントグラッツェ。
最後の言葉に見え隠れしてますが、どうやら血を流してその音を聞くと解釈したらしいです。
それを実践する覚悟を誉めてやって下さい。