三幻僧の複合奥儀「境界面」が発動され、

地面に出ている三角の形をした大きな面からは、

影力に包まれた何かが現れた。

ふっ。

こんなに沢山は見たことないだろ?

ぐぎぎぃ……。

ががぐ……。

ぐぎがぁ……。

ぐがが……。

がぐぐぃ……。

ぎぎ……。

境界面からは沢山のシャドーが現れた。

シャドー……。

さっきのはシャドーを召還するための術だったのか。

境界面からは途切れることなく、

シャドーは湧き出て、

瞬く間に敬介達を取り囲んだ。

あの術をなんとか破壊しなければ……。

光一さん、どうしよう?

みんな聞いてくれ。
あの術を破壊するには、力の元になっているはずの三幻僧の誰かを倒すしかないはずだ。
それに、術の発動後に幻角は手の印を解除していない。
奴だけは術の維持のために動けないんじゃないだろうか。

それなら。幻重か、

幻流ね。

どちらを倒すにしても、
片方は幻角の守りにつくはずだ。

なら、
幻角の守備についた方を倒すのがいいだろうな。
守りに徹して必ず隙ができる。

それが幻重なら俺と大宮で、
幻流なら矢島さんと天野さんで倒そう。

決まりだ。
行くぞ!!

湧き出るシャドーに注意を払いながら、

さっそく作戦の実行へと移った。

何かごちゃごちゃやってたけど、
どうせ無駄なのに。

さっさと殺してやる。

幻重と幻流も迎え撃つために動き始めた。

まずは、

周りに集まっていたシャドーを倒しながら徐々に近づいていく。

数が多すぎる。

一気に仕留める。

さすが、矢島さん!!

形山、もたもたすんな。

分かってるよ。

矢島がシャドーを大量に倒すと、

出来上がった道を敬介と大宮が駆け抜ける。

させねぇよ!!

シャドーの大群を抜けると同時に、

幻流が刀を振りかざしてくる。

はぁっ!!

またお前かーー!!

先に行って!!

突然の強襲に、

一瞬足を止めてしまった敬介と大宮だが、

矢島が素早く間に割って入り、

光弓で2本の刀を受け止めた。

はいっ!!

あーあ、
こっち来ちゃったか。
次は殺しちゃうよ。

幻重は点杭を何本か出すと、

それを二人に向かって放り投げてきた。

大宮、アレ使うぜ。

好きにしろ。

第2章---三幻僧編---(52話)-点線面②-

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