僕たちの乗った船は副都へ到着した。
副都は海に面している港湾都市。
デビルズリバーという大河の河口にあって
大陸各地と繋がる街道も集まっている。
当然、貿易も盛んでまさに交通の要衝。
賑やかさや住民の数などは
王都の方が上だけど、
歴史に関しては
圧倒的に副都の方が古いらしい。
僕たちの乗った船は副都へ到着した。
副都は海に面している港湾都市。
デビルズリバーという大河の河口にあって
大陸各地と繋がる街道も集まっている。
当然、貿易も盛んでまさに交通の要衝。
賑やかさや住民の数などは
王都の方が上だけど、
歴史に関しては
圧倒的に副都の方が古いらしい。
トーヤ、皆さん。
お世話になりました。
どうか良き旅を。
クロード……。
クロードは乗合馬車を利用して陸路で
ポートゲート側から
サンドパークへ戻るらしい。
やっぱりお別れは寂しいな……。
あんたも気をつけてね。
シンディ先生に
よろしくお伝えください。
クロードくんの分まで
私ががんばりますっ!
短い間でしたけど
ありがとうございました。
縁があれば
また会うこともあるだろう。
トーヤ、紹介状を
書いておきました。
それを見せれば
商人ギルドが力を
貸してくれるでしょう。
クロードは僕に便せんを渡してきた。
僕はそれを受け取ると、
感極まってクロードへ抱きついて
大泣きしてしまった。
クロードの匂い。力強さ。温かさ。
絶対に忘れないよ!
クロード、また会おうね!
約束だよ!
はいっ!
僕たちは港の横に併設されている
乗合馬車の駅まで一緒に行き、
クロードの乗った馬車が見えなくなるまで
その場で見送った。
なんか心に穴が空いたみたい。
寂しさと悲しさで気持ちが落ち込む。
でもいつまでもクヨクヨしてたらダメだよね。
副都では何かが起きているみたいだし、
しっかりしなくちゃ。
じゃ、ティアナさんの
情報を集めるためにも
ギルドへ行こっか。
そうですね。
でもでもぉ、
まずはギルドの場所を
調べないといけません。
それなら任せて。
心当たりがあるから、
その近辺で聞き込めば
すぐ分かると思う。
そっか、カレンさんの
故郷ですものね。
……まぁね。
ちょっと待て。
移動するのはいいが、
道が水浸しではないか。
確かにロンメルが指摘したように
道があるはずの場所には
洪水になった時みたいに
水が張り巡らされている。
海とも繋がっているみたいだから
堤防のどこかが壊れて
そのまま放置されているのかな?
町のみんなは小舟で移動しているみたい。
やっぱりアンタ、
流水が苦手なのねっ?
断じて違う!
真祖のヴァンパイアに
流水は関係ないと
以前に話しただろうが!
ま、そういうことに
しておいてあげましょう。
むむむ……。
俺はコイツが嫌いだ!
エルム以上にな!
ロンメルは目を吊り上げながら
カレンを指差した。
するとカレンも負けじと激しく言い返す。
奇遇ねぇ。
私もアンタが大嫌い。
トーヤを汚さないで。
なんだ、嫉妬か。
俺がトーヤの
血を啜っているのが
羨ましいのだな。
だが、トーヤの血は
俺のものだ。
誰にも渡さん。
いやいやいや……。
いつも思うけど僕の血は
僕のものだって……。
でもロンメルくんの
疑問も当然ですよねぇ。
歩いていこうにも
びしょ濡れに
なっちゃいますよぉ。
そうだっ!
水着を買いましょう!
泳げば全て解決ですっ!
……それ以前に
溺れかねませんよ。
深そうですから。
もしかしてエルムくん、
カナヅチですかぁ?
地底都市
出身ですもんねぇ?
えぇ、分かりますっ!
お、泳げますよ!
……少しくらいなら。
私なんかしょっちゅう
転移魔法に失敗して、
川や池に落ちてますから
泳ぐのが得意に
なっちゃいました!
自慢にならないよ、
サララ……。
きっとあれは水路ですよ。
そもそも街の中を
舟で移動する前提で
作ってあるんですよ。
さすがライカさん。
正解です。
貸し舟屋さんがあるから
そこで全員が乗れる
大きさの舟を
借りましょう。
僕たちはカレンの案内で
近くにある貸し舟屋さんへ向かった。
さすが地元だけあって
色々と知っていて頼りになるなぁ。
次回へ続く!