敬介と大宮の攻撃は、

先日の戦いと同じように点乱雨と点岩礁のコンボで、

あっけなく防がれてしまう。

さっさと諦めてよ。
これから大事な作戦始めるんだから。

へっ。
お前が諦めるんだな。
いくぞ!!

攻撃を防がれても、

何度も何度も攻撃をしかけていく。

面倒だなぁ。

じゃあ、おとなしくしてろ。

敬介の攻撃のタイミングに合わせて、

大宮は吼波連弾を放っていく。

そして、

それを防いでいくことの繰り返しに飽きてきて、

幻重は少しずつ苛立ち始めていた。

戦いは焦ったら負けだぜ。

うるさい!!
ちょこまかと動き回るな!!

怒った幻重は左手で敬介の蹴りを払いのける。

ぐわっ!!

払い飛ばされた敬介は園内の噴水に落ちた。

全身水浸しになってしまい起き上がろうとすると、

空からは幻重が降らせた影力の雨だけではなく、

本物の雨粒が降ってきた。

そして、

お腹を押さえながらその場に立ち上がり、

敬介は空を見上げる。

雨……。
大宮、傘だ!!

ああ。

傘だと?
戦いの最中に傘をさしてるバカがどこにいる。

ここだよ。

何度もバカにしやがって。
点杭(てんくい)。

敬介が笑みを浮かべると、

幻重は手のひらから釘のような形をした黒いものを

出現させた。

釘か。

くらえー!!

大きな声で叫ぶと、

その杭を噴水の方へと投げ込んだ。

敬介はそれを避けて噴水から飛び出る。

さらに、

杭を2本両手に出現させると、

噴水とは逆の方向にそれぞれ投げた。

ふふふ。

どこ狙ってんだよ。

形山。

ああ。
作戦開始だ。
大宮、頼んだぜ。

大宮は敬介に声をかけると、

作戦開始のために再び吼波連弾を放つ。

敬介も同じく、

先ほどのように攻撃のため走り出した。

ぐっ!!

何が作戦開始だ。
さっき以下じゃないか。
それに銀髪のやつなんて弾数も減って、
狙ってるところも滅茶苦茶。
味方の黒髪に当たってるし。

やっぱりだめだね。
君たち。

ふっ。
どうかな。

また防いじゃうよ。
点岩礁。

腱撃!!

第2章---三幻僧編---(49話)-雨傘②-

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