彼女は残念そうに足軽に立ち去ろうとした。鮫野木は悔い気味に呼び止める。このままだと次に彼女と会える気がしなかった。

鮫野木淳

ちょと待って、名前なんて言うんですか?

六十部紗良

……六十部紗良(ロクジョウブサラ)本来ならあなたの先に名前を言うべきよ

鮫野木淳

あ、すみません。鮫野木淳です

六十部紗良

私は忙しいの……この世界の事少しでも知りたいなら、明日の朝十時にK・S記念病院に来なさい。一階の受付で五分までならまっいるから

鮫野木淳

……この世界の事?

 K・S記念病院に行けば良いのか、行けば廃墟の事もわかるのか?

六十部紗良

それじゃ、鮫野木淳くん

鮫野木淳

あ、はい

 六十部が鮫野木に挨拶をして立ち去ろうとした。

 ふと、六十部は何か思い出したのか、後ろを振り向いて話す。

六十部紗良

そうそう、夜は何処でも良いから建物に入りなさい。それが良いわ

 そう言い残し、六十部は再び歩き出した。鮫野木は六十部の姿が見えなくなるまで立ち尽くした。

鮫野木淳

…………

鮫野木淳

そうだ、家に家に帰ろうとしていたんだっけ

 鮫野木は家に向かい、歩いているとき、鮫野木を呼びかける声が聞こえた。振り返ると小斗雪音が居た。

小斗雪音

良かった、まだこんな所に居た

鮫野木淳

ユキちゃん……

小斗雪音

探したよ。淳くん


 鮫野木は目を逸らして、話した。

小斗雪音

淳くん、これからどうするつもり?

鮫野木淳

一度、家に……帰る

小斗雪音

そう、なら私も着いていく

鮫野木淳

良いのか? こっちに来て

小斗雪音

私は淳くんの見方。何処でも付いていくよ!


 俺はそれを聞いて泣きそうになった、俺は涙をグッと堪えた。

鮫野木淳

ごめんな

小斗雪音

謝るのは私じゃないでしょ

鮫野木淳

うん


 俺はゆっくりと歩き出した、小斗は後を付いていく。

鮫野木淳

俺の家だな


鮫野木はポケットからカギを取り出して、鍵穴に指して回した。

鮫野木淳

あれ?


 開けたはずのドアが開かない、鮫野木はもう一度ドアに力を入れる。すると、ドアは開いた。

鮫野木淳

立て付けが悪かったのか


 鮫野木と小斗は家に入っる。ないも違和感はない自分が住んでいる家だった。

小斗雪音

お邪魔します

鮫野木淳

やはり、タイムスリップは考えすぎだよ。凪佐

 鮫野木と小斗は自分の部屋に向う。
 部屋に入るとアニメグッズや漫画が至る所に無造作に置いてあった。中には少しエッチな物……男友達はともかく女友達には見せたくない物だ。

鮫野木淳

あっ


 俺は小斗の顔を疑った。小斗はあからさまに作り笑顔をしていた。

小斗雪音

鮫野木さんの部屋、散らかってますね。片づけるの手伝いましょうか?

鮫野木淳

お願い、敬語だけはやめて下さい。片付けますから!

小斗雪音

嫌だな、手伝うよ。私は鮫野木さんの見方って、言いましたよ

鮫野木淳

ひ、一人でやりたいです。一人でやらせて下さい。お願いします


 俺はとても深く、頭を下げた。

小斗雪音

五分以内

鮫野木淳

わかりました!


 俺はダッシュで部屋を綺麗にした。主に小斗ちゃんが引きそうな、物を徹底的に片付け、なるべく綺麗に、とても綺麗にした。

エピソード6 裏の世界(2)

facebook twitter
pagetop