やはり近くで見ても、胸の奥からじんわりしてくる、この感覚にレインフォードは一息吐いた。
サトミが綺麗だとはしゃいでいる。
黄色い通信機を桜に向けて伸ばしていると、その通信機から薄気味悪い目玉が剥き出るとコウモリのような翼を生やしてパタパタ飛び上がっていった。
それを見た近藤が、ひ! と小さく悲鳴を上げてレインフォードの腕に抱きついた。
どうしようもなく女性に見えてしまったが、そこは黙殺。
薄気味悪いそれは何なのかとちょっと騒動になったが、魔道具であることを説明すると近藤はビクビクしながらも納得してくれた。
念には念を押して、襲ってきませんよね、と尋ねるぐらいに。