この世に生を受けて既に20年が経とうとしている。
一向に成長を止めたこの見た目は「サボリー」という一族の宿命だった。
狼と七匹の子山羊、なんていう童話を知る者も多いだろう。面倒なので話は割愛するが、まあ、その子山羊の「子孫」なのだ。
童話の世界の「子孫」とはなんだという話ではあるが、人間の考えた物語というものは非常に「力が強い」そうなので、その子孫であると人間が言うのならばもうこちらも何も言えまい。
だがこの姿、一族にとってとても都合の良い姿だということを補足しておかねばならない。
若い姿ということは無論、「中身も若い」ということだ。
いや、性格だ趣向だなんだということではない、表面の中、つまり内蔵の話だ。
とすればそうだな、お前は何を思う?
「一族」「能力」「子孫」、これらの単語で見えてきただろう。
下世話な話になるが、俺はいつでも老いてなお「子作りができる」体であるということだ。
このような体であると色々狙われやすくもなる、というわけで、一族は愚かもちろんこの俺も例外ではなかったし、むしろ該当ど真ん中の存在になってしまった今、国の保護なしでは生きていけないのだ。
だからこそ俺たちはこの「キリアサンタ」なんていう神様を崇めて神様を奉る国に属しているわけで。