雨が降りしきる中、


敬介は秋野実神社にやって来た。

そういえば、
なんかあったらこの神社に集まるなぁ。

形山君。
早いね。

神社の石段を登っていると、


後ろから美咲が声をかけてきた。

天野さん。
やっぱり呼ばれてたんだ。

やっぱりって。
私も光術士だよ。

そうだよね。
ごめんごめん。

軽い冗談を言いながら会談を上りきると、


すでにカラウと矢島が待っていた。

やっと来たか。

待ってたよ。

矢島さんはともかく、
おっさんが先にいるなんて珍しいな!!

カラウは相変わらずダルそうな雰囲気で、


顎をかいていた。


矢島にいたっては傘をさしながら微笑んでいる。


そして、


そこにはもう一人……

あれ?
もしかして大宮君?

顔が隠れるように傘をさしていたので、


すぐには気づかなかったが、


少し強めに吹き込んだ風で傘が浮いたことで、


見えるようになった。

…………。

お前もいんのかよ!!

まぁまぁ。
敬介君落ち着いて。
カラウさんお願いします。

大宮には反射的に反応してしまう敬介に、


矢島も苦笑い。

始めるか。
三幻僧の強さは、
お前らも分かったと思う。
そこでだ。
敬介と剛。
矢島と美咲は二人一組で戦え。
一人の時に襲われたら逃げろ。

はい。

分かりました。

あ!?
ちょっと待……。

なんで、
俺がコイツと組まなきゃならねぇんだよ。

カラウによって急遽決められてしまったペアだが、


やはり敬介と大宮はお互いに納得がいかない。

いいから黙って最後まで聞け。
普通のシャドーなら本体に光をぶち込むか、
影石を壊せば倒せるが、
見てのとおり、
すでに人間と同化している人型は、
それだけじゃあ倒せない。

そうだったんだ……。

完全に倒すには、
同系統の光術を使った技が効果的だ。
系統ってのはな……。
はぁ、矢島頼んだ。

はい。

光術の系統とやらを説明しようとしたのだが、


面倒くさくなってしまい矢島にバトンタッチ。

系統ってのは大きく分けて、
物体型と物質型に分かれるんだ。
僕と美咲ちゃんのは物体型で、
敬介君と剛君のは物質型。

物体は決まった形があって、
物質は決まった形がないって方がいいかな。

なるほど。
矢島さんと天野さんのは、
弓と翼で光に形があるから物体型で、
俺と大宮のは、
形のない光だから物質型というわけか。

光術にはそんなのもあったのか。

光術の系統について初耳だったのか、


大宮もボソッと呟いた。

第2章---三幻僧編---(40話)-系統とペア-

facebook twitter
pagetop