撤退の翌日である下校中のこと。


光術士らしき大宮についての疑問が、


なかなか解消されずにモヤモヤしていた敬介は、


矢島に聞いてみることにした。

もしもし。
形山です。

おっ。
敬介君どうしたんだい?

前に言ってた、
俺達以外にも光術士がいるって話のことで。

ああ。
もしかして、
剛(ごう)君に会ったのかな?

剛?

大宮剛君。
銀髪の男の子だよ。

そいつです。
大宮も光術士なんですか?

そうだね。
経験は敬介君と美咲ちゃんより長いよ。

そうなんですか……。

もしかして、
喧嘩でもしちゃったかな。

すっげぇ感じ悪かったから。

そうか。
悪い子じゃないんだけどなぁ。

俺は嫌いです。

まぁまぁ、
そう言わないで。

とりあえず、
本当に光術士だってのは分かりました。
ありがとうございます。
では……。

ちょっと待って!!
昨日の報告で言ってた三幻僧について
なんだけど、
今から秋野実神社に来れるかな?

大丈夫です。
そしたらこれから行きます。

そういって電話は終わり、


敬介はさっそく秋野実神社へと向かった。

土砂降りの雨の中、


二人の刑事は傘を持たずに、


建物の入り口付近で話していた。

俺の目に間違いはなかった。

さすがっす。
まさか本当にあの男の子が関与してるとは。

俺も驚いてるくらいだ。
あれが人間にできることなのか。
全く考えられん。

島本らは、


敬介と大宮が戦っているところを目撃してしまっていた。


というより、


目撃したの方が正しいだろう。


敬介のことがどうにも気になり、


学校帰りに跡をつけていた。

そうですよね。
アレはいったい何なんでしょうか?

分からん。
光術士?とかなんとかいってたが……。
調べてみる価値はありそうだ。

そうっすね。
あの時本部から電話なんか来なければ、
先輩の言ってた黒いモヤについても、
何か分かったかもしれないのに。

まぁ、
焦らずに地道に捜査するしかねえな。

どうやら、


幻重が現れる前に引き上げていたようだ。

第2章---三幻僧編---(39話)-疑問-

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