幻重との戦いで、


全く敵わずに撤退を余技なくされ、


街中の公園に逃げてきた。

みんな大丈夫?

大丈夫。

…………。

大宮は逃げ出す気は全くなかったのだが、


美咲に一喝され、


しぶしぶ一緒に逃げたのだ。

大宮。
お前がシャドーじゃないのは分かったが、
なんで天野さんが捕まったのを知ってるんだよ?

…………。

おい。
なんで黙ってるんだよ。

そんなことを今さら答えてどうなる?

何だと?!

黙り込む大宮に何か言ってやろうと思っていたが、


完全に大宮のペースに乗せられてしまっている。

お前らと馴れ合うつもりはない。

それだけいって、


公園を出て行った。

あの野郎……。

せっかく同じ光術士なのに……。

敬介と美咲もそれぞれ帰宅することにした。

敬介達の帰宅から数時間後。

光術士って全然ダメだね。
戦いを全く分かってないよ。

あったのか?

リーダーはせっかちだね。

幻重は懐から影石を取り出し、


その男に手渡した。


その様子を唇を噛みながら幻流が眺めている。


それに気づいた幻重はほくそ笑む。

幻流。
お前は残っている箇所を回収しろ。

わかった。

幻流は腰にぶら下げていた刀の柄に手をかけると、


黒いモヤとなって消えた。

第2章---三幻僧編---(38話)-撤退-

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