幻重との戦いで、
全く敵わずに撤退を余技なくされ、
街中の公園に逃げてきた。
幻重との戦いで、
全く敵わずに撤退を余技なくされ、
街中の公園に逃げてきた。
みんな大丈夫?
大丈夫。
…………。
大宮は逃げ出す気は全くなかったのだが、
美咲に一喝され、
しぶしぶ一緒に逃げたのだ。
大宮。
お前がシャドーじゃないのは分かったが、
なんで天野さんが捕まったのを知ってるんだよ?
…………。
おい。
なんで黙ってるんだよ。
そんなことを今さら答えてどうなる?
何だと?!
黙り込む大宮に何か言ってやろうと思っていたが、
完全に大宮のペースに乗せられてしまっている。
お前らと馴れ合うつもりはない。
それだけいって、
公園を出て行った。
あの野郎……。
せっかく同じ光術士なのに……。
敬介と美咲もそれぞれ帰宅することにした。
敬介達の帰宅から数時間後。
光術士って全然ダメだね。
戦いを全く分かってないよ。
あったのか?
リーダーはせっかちだね。
幻重は懐から影石を取り出し、
その男に手渡した。
その様子を唇を噛みながら幻流が眺めている。
それに気づいた幻重はほくそ笑む。
幻流。
お前は残っている箇所を回収しろ。
わかった。
幻流は腰にぶら下げていた刀の柄に手をかけると、
黒いモヤとなって消えた。