敬介は美咲とともに、
警備員が失踪したと思われるビルに調査に来ていた。
影石を発見したのだが、
直後に大宮が現れ、
それを奪おうとして襲ってきた。
謎の襲撃者の正体が大宮だと確信した敬介は、
右足を構えた。
敬介は美咲とともに、
警備員が失踪したと思われるビルに調査に来ていた。
影石を発見したのだが、
直後に大宮が現れ、
それを奪おうとして襲ってきた。
謎の襲撃者の正体が大宮だと確信した敬介は、
右足を構えた。
さっさと渡せば、
痛い目にあわずに済むぜ。
黙れ!!
両者駆け出す。
先に敬介が蹴りを繰り出すのだが、
まるでボクサーのように軽くかわす大宮。
そして、
大振りの蹴りをしようと体制を変えた瞬間に、
大宮の右アッパーが敬介の顎をとらえた。
形山君!!
あんまり効いてないようだな。
とっさの自己防衛は、
たとえ普通のパンチでさガードできる。
ふっ。
それより、
お前本気出してないだろ。
お前如きに本気なんか出すかよ。
まぁ、時間も惜しいしさっさと終わらせるか。
大宮は左拳を敬介に向け、
右拳を自身の頬の横に構えた。
その右拳からは光が溢れ出してきた。
光?
ちょっと待って!!
待てるかよ。
まるで正拳突きのように、
左腕を引き戻し、
光を纏った右拳を突き出した。
吼波(こうは)!!
拳から光が放たれ、
敬介めがけて飛んでいった。
まるで獣が襲い掛かるかのような衝撃波が、
コンクリートの床を削りながら進む。
光術だと?!
天羽!!
衝撃波が敬介に当たる直前、
美咲の光術天羽がそれを防いだ。
余計なことを。
お前シャドーじゃないのか?
あ?
俺がいつシャドーだって言ったよ。
大宮が襲撃してきたシャドーだという考えは、
完全に間違っていた。
あなた光術士ね。
そうだよ。
わかったなら、
さっさと影石をよこせ。
これのことかな?
でも、これは僕らのだからなぁ。
敬介らの気づかぬ間に現れた者の手には、
影石が握られていた。
敬介は右ポケットに入れたはずの影石を探るが、
入っていなかった。
誰だ!!
これで分かるかい?
その男は右手のひらを突き出した。
影術(えいじゅつ)?!
シャドー!!
正解。
といっても、
そこら辺のシャドーと一緒にしてもらっちゃあ
困るんだよね。
どういうことだ?
男は大きく突き出た腹をポンポンと叩きながら答えた。
僕は三幻僧の一人。
“点”を統べる者、
幻重(げんじゅう)。
三幻僧……。
あれー。
びびっちゃった?
まぁ、無理もないよね。
僕ら強いし。
こないだリーダーが
夜の公園で遊んだみたいだから、
僕も遊ぼうと思って。
大宮が敬介と美咲を見る。
お前があの時のヤツの仲間か。
そうだよ。
だから、
今度は僕が遊んであげるよ。
幻重はそういって、
両手を筒状にし、
夕空に向けてラッパのように吹いた。
点乱雨(てんらんう)!!
両手で作った筒からは、
黒い小さいな粒が吹き出され、
3人をめがけて降り注いだ。