学校で刑事の島本らに呼び出され、

爆発事故についてのことを尋ねられた。




しかし、

黒いモヤを見なかったかという奇妙な質問に、

シャドーが関係しているのではないかと感じた敬介は、

東茜町で発生している

謎の事件の現場を調査することにした。




そこで、

放課後に美咲と一緒に、

男性警備員が行方不明になったというビルに来た。

ここが警備員がいなくなったっていう屋上か。

うん。
一応警察も捜査はしただろうから、
これといった手がかりはなかったみたいね。

もし、
これがシャドーの仕業なら、
光術士にしか見えない痕跡があるはずだ。

そうだね。
形山君頑張ったから、
影の痕跡見えるようになったもんね。

うん。
でも、こっちの世界で
影力(えいりょく)を使うって、
それなりにリスクだよな。

まぁ、光術士には見えちゃうからね。
じゃあ、調査開始。

影力とは光術士が使う光力とは正反対の力のこと。

シャドーが出現した際に感知できるのは、

光力と別の力を感じ分けができるようになるため。

修行の際に攻撃よりも防御を先に学ぶのは、

自己防衛で体を光力で包み込むことにより、

シャドーの存在を、

自然と感じ取れるようにしていたのだ。

しばらくして、

敬介は給水タンクの辺りを探していた。

やっぱり、
そう簡単には見つからないよな。

少し諦めムードになっている時だった。

ん?
これって……。

天野さん!!
これって。

敬介が呼ぶと、

反対方向にいた美咲が急いで駆け寄った。

影石……。
ということは、
ここにシャドーがいたってことになるわね。

そうか……。
シャドーは一体何をしていたんだ。

敬介と美咲が影石を見ながら話していると、

二人に近づいてくる人物がいた。

お前ら。
こんなところで何してる?

お前は……、大宮。
別にお前には関係ないだろ。

ゲームセンターに遊びに行った時に、

前川がうっかりぶつかってしまった男が、

なぜか屋上に来た。

何だと……。
お前その手に持っているのはなんだ?

大宮は敬介が影石を持つ手に視線をやった。

それと同時に、

敬介も右手の握り拳を見た。

すると、

美咲が敬介のすぐ近くに寄って囁いた。

大丈夫。
普通の人には見えないから。

その囁きに敬介は小さく頷いた。

その手の中の物を見せろ。

ああ。
見せたら俺達は帰るぜ。

その石……。
それをこっちに渡せ!!

お前これが見えるのか!?

何をとぼけたことを。
覚悟しろ!!

大宮は右拳を硬く握り、

敬介めがけてパンチを繰り出す。

くそっ。
やりやがったな。

何発か拳をくらってしまい、

口元の血を左手で拭う。

そして、

大宮はさらにラッシュを続けようとしてきた。

影石をさっと右ポケットに仕舞いこみ、

右手でその拳を受ける。

右拳をつかまれそうになる瞬間、

大宮は即座に数歩分後ろへ飛び退いた。

ふっ。
その程度だから女一人守れねぇんだよ。

何?
お前まさか……。

大宮の発言と先程から受けたパンチから、

敬介はあることを確信した。



それは、

数日前の夜のこと。



突如襲撃してきた正体不明の敵。

美咲を捕らえられ、

矢島との共闘でなんとか撤退に追い込んだのだが、

今までのシャドーとは違っていた。



そして、

影石が見えていて、

それを今奪おうと襲う大宮。



前川が言っていた、

最近起こっている事件現場で、

大宮が目撃されていること。



全てが繋がった。

そうか。
お前があの時の……。

ふっ。
やっとやる気になったか。
こい!!

大宮は再び右拳を構え、


敬介は右足を1歩下げ構える。

第2章---三幻僧編---(35話)-夕暮れ時の確信①-

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