休日ということもあり、
昼間は例の曲がり角に行っていたのだが、
特にこれといったものは見つけられなかった。

しかし、
天野美咲と再び出会うことができ多少の充実感はあった。

敬介は自室のベッドで寝転がりながら、
うとうとしていた。

そろそろ23時か……
明日も休みだけど早めに寝るかな。

電気を切り、再びベッドに飛び乗った。

いった!?なんだ?

お尻のあたりに激痛が走り、
慌てて飛び起き電気をつけた。

ん、これは?
あの時拾ったガラスの破片か!

昼間に拾って眺めている時に美咲に会って、
とっさにポケットにしまったのを思い出した。

とりあえず、
机の上に置いて電気を切り、
そのままベッドへと入った。

敬介が寝静まった深夜2時頃だった。

窓は閉まっているのだが、
そいつは突然現れた。

あー、
やっぱりこれが見えてんのか……。

この謎の人影は、
敬介が机に置いた物を手に取りそうつぶやいた。

こいつ、
これからかなり厄介なことになるな。
運の悪いやつ……。
しゃあない、あいつに見張らせとくか。

敬介の顔を覗き込み、
軽く笑いながら窓のほうへと姿を消した。

机に置かれた謎のかけらだけが、
月明かりに照らされ怪しく光った。

早朝の通学路。

茜桜学園高校に向かうたくさんの生徒達。

その中には敬介の姿もあった。

はぁ……。

おーい、かーたーやーまー!!

遠くから大きな声で叫んでくるのは同じクラスの前川。

あー、前川か。
おはよう。

前川かって、ひどいな。
今日は自転車じゃないんだな。

そう、
今日はいつもの自転車ではなく、
徒歩での通学なのだ。

昨日、パンクしちまったからさー。

なるほどね。

この後、特に会話もなく、このまま学校に向かう二人。

世間じゃあこういう高校生も意外といるだろう。

第1章-力の目覚め編-(4話)-怪しい客人-

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