そして、日常が戻ってきた。
神城が三桜との共同体制を組むという話は経済界に激震を与えた。
これまでどうして成立していなかったのか、おかしいくらい大規模な組織同士の協力である。その理由が神城の因縁である事を知る者は少ないだろう。
連日連夜大量のメールが送られ、電話も止まらなかったが、それはもう関係ないので割愛する。
刃を倒したのが悪いのだろう。クラスメイトの中には僕を腫れ物扱いした者もいたが、問答無用で叩き潰してやった。
未だ水面下では権謀術数よろしく、激動が続いているが、それもまた僕の日常には無関係だ。
全てが終わった後、表情の明るくなった数少ない人間の一人である雪柳が近寄ってくる。
問答無用で役立たず扱いして気絶させたにも関わらず雪柳の表情には一切の曇りがない。こいつも大概、大物なのだ。