東條 夕日

おい、来てやったぞ

『たgふきあぼぬ』を、一つだけあるgに注目して、全てをアルファベットに変換する。

『taghukiabonu』

そして、奴が言っていた『せっかちな母はいつも二つ分進んでいる』に従って、アルファベットの母音を元通りに二つ分戻す。

『tugihakouban』

『次は交番』

東條 夕日

で? 次は何をすればいい?

上条警部

おお、ようやくたどり着いたか。んじゃあ早速で悪いが、近くにある裁判所に重要な参考人がいる。そいつに話を聞いてこい。もうここには来なくていいぞ

東條 夕日

随分と雑だな。謎や秘密とやらはないのか?

上条警部

こっちは渋谷に頼まれて嫌々やってるんだ。警察ってのはそんな暇じゃないんだよ。まあ秘密くらいなら教えてやる。私は目立つのが嫌いでな。世界の中にひっそりと身を隠す、海の生き物だ。それと、ここは『8』らしいぞ。ほれ、行った行った

東條 夕日

随分と適当だな。それじゃあ、邪魔しないようにおいとまするよ

裁判所に向けて、交番を後にする。

その、途中で。

突然目も眩むような光に包まれ、ふわりと体が浮いたような気がした。

東條 夕日

ん? 何だ、意識が朦朧とするな

ぼんやりとする視界が、少しずつ晴れていく。

そこは、裁判所だった。

東條 夕日

記憶が、途切れている?

林道 霧子

何を言っているのかしら。『私は学校のどんよりした空気が嫌いで、学校から濁りを取った、澄み切った学校だ』っていう秘密を教えたばかりじゃない

東條 夕日

そうだったか。いや、済まない。それで? 俺はどこに行けばいい?

林道 霧子

だから、学校だって。あ、でも今までのみんなの秘密が必要になるみたいだから、みんなの秘密を解いてからの方がいいわよ。それとも、ミス研のメンバーならとっくに解けているのかしら?

東條 夕日

残念ながらまだだ。だから悪いが、今朝の約束はまた今度にしてくれ。学校に向かいながら考えるよ。てかお前、学校嫌いなんだな

林道 霧子

いやこれは秘密というゲームの一環であって、少なくとも私のクラスの三年五組はみんないい生徒たちなのよ

東條 夕日

そうか。それはわるかった。それと、ここの数字とやらはないのか?

林道 霧子

あら、ごめんなさい。ここは『7』よ。じゃあ頑張ってね

俺は裁判所を後にして、学校へ向かう。
秘密とやらを考えながら。

* * * * *

こんにちは。ご覧頂きありがとうございます。

そろそろ脱出ゲーム編も終わりが見えてきました。今回ちょっと走りすぐた気もしますが(笑)

東條くんの途切れた記憶は、『神に見捨てられて異世界の王』最新話を見ると分かるようになってます。興味があれば覗いてみて下さい。

それでは、今回はこの辺りで失礼します
(*- -)(*_ _)ペコリ

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