【80】

























ボクは外に出た。


普通に町が広がっている。

外に出るからと言って
首輪や手枷をつけられることもない。

これならすぐに
逃げられるんじゃないだろうか。

と言っても、一応は助けられたっぽいし

すぐに逃げるということに
一抹の罪悪感。

いつでも逃げられる
今の状況と相まって
なんとなく足取りが遅くなる。









どうやって売られて
どうやって買われたのかはわかない。



でも
奴隷のように働かされることに
なっていたかもしれないと考えると

やっぱり助けてもらっんだ、
と思う。

……


売られたことについては
もう終わったことだ、と置いておくとして

気になるのは
ボクを買った意図。

飴を買って来い、なんておつかいレベルだよ


それに、あの声だけの人も気になる。

あの人はなにか知っているようだった。
悪い人でもないようだった。

会えればいいんだけど……

顔もわからない


探す術もない。







そんな時。

あれ? お前



声がした。









Q:唐突ですが質問です。
  雲に会ったことはありますか?

コレ→

ある。


ない。

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