良太たちの特訓は続いた。
だが、美紀の歌は向上しなかった。
良太たちの特訓は続いた。
だが、美紀の歌は向上しなかった。
・・・ごめん
えっ?
付き合ってくれてるのに全然うまくならなくて
そんなことないよ
何言ってるんだ、末永?
だって・・・
お前の歌は、俺の魂の歌をかき消したんだぞ・・・
うまいだろう!!
えっ?
公太・・・そうだな・・・個性かもしれないよ
個性?
末永さんにしか、
歌えない歌なんだよきっと♪
二人とも・・・ありがとう
物はいいようだな
そうかもしれないけど・・・落ち込んでる末永さんを見たくはないんだ
不思議なものだな・・・お前らは。理屈がチンプンカンプンだ
そうだね、アルゴ
そうして、クラスでの練習もこなしていくが事件が起きる。公太が言いかけると先に良太がいう。
女生徒
末永さん・・・下手だわ
えっ・・・
歌わない方がいい
デブ男
そうだそうだ!!
デブ川
俺もそう思う!!下手過ぎる!!
お前ら
お前ら何様だぁあああああああ!!
!?
!?
お前らがどんなに歌がうまかろうが俺は知らないよ
心が汚い奴の歌声は聞いてて、気持ちが悪いんだ
お前らこそ歌うな!!
屁理屈ばかりだな・・・
なに、心が汚いって!!
だってそうだろう
なっ!?
言い過ぎたけど・・・末永さんだって、必死に練習してるんだ。それを馬鹿にするのは良くないと俺は思う。
だって、みんなで歌うから合唱なんだよ
それはお前が正しい。合わせなければ合唱にはならんな
美紀はそれを聞いて涙ぐんでしまう。
あの時と一緒だ・・・
美紀と良太は小学校が一緒だった。
そのときも同じようなことが起きた。
末永さん・・・
歌声が汚いよ・・・
えっ・・・
やめろよ!!
なによ!!
みんなで歌うから合唱なんだ。一人かけてもだめだよ!!
良太君・・・
良太のいう通りだ。みんなで歌うから合唱なんだ。末永もちゃんと歌え♪
・・・はい
そして、美紀は良太に感謝する。
ただ、4年生の時クラスが違ったため、
良太の事件にはあとで気付いた。
あれ・・・良太くん学校にいないな・・・
転校!?
あの、良太くんって転校しちゃったんですか?
転校はしてないんだけど・・・いや・・・ちょっとな・・色々あって・・
え・・・
事情を聴きだす。
良太がいじめられていたことを。
後悔した、恩を返せなかったことを。
私は助けてあげられなかった・・・あの時助けてもらったのに・・・
ごめん良太君・・・ごめんね
教室に話は戻る。
また・・・やっちゃった・・・
善意で・・・
まぁ・・・良太の意見に賛成だ、俺は!!
なんとなくそうだな
なっ?優勝したくないの?
する必要がそんなにあるか?
あの時とは違う・・・公太がいる
いいじゃん!!楽しく歌えばそれだけで!!優勝して何かもらえるわけでもないし
公太・・・
それは・・・
優勝に意味がないなら、なんでもいいだろう。それに、お前ら非生産的なことしてるのに、何を求めてるんだ?
う~ん・・・
自己満足ってやつかな・・・
わからん
僕もだよ、アルゴ
なんか、騒がしかったけどなんかあったか?
先生は優勝したいですよね?合唱コンクール?
えっ?
それか、みんな楽しんで歌う方がいいか?
・・・そういうことか
俺は、みんながたのしければいいと思う。ただ、優勝したいってやつがいてもいいとは思う。どっちも大事だからな
答えになってません!!
そうか!!
えっ?
それでいいんじゃない!!両方で!!楽しんで優勝する!!
どっちかだけにしなくても♪
それはいいな♪良太さすがだ!!
俺もそれがいい
・・・
うん?優先順位の問題だろう・・・
どっちをとるかだ
違うんだよ・・・どっちもとるのがいいんだと思ったんだ
条件が成り立つのかそんなもの?
条件はわからないけど・・・
可能性は0じゃない
そうか・・・納得した
そうして、クラスは一つの目標を立てる。
みんなで楽しんで、優勝する!!
また・・・助けてくれてありがとう
えっ?
覚えてないか・・・
そうだね。良太君はそういう人なのかもね♪
うん?
自然に誰かを助けちゃうのかもしれないね、良太君は
そして、合唱コンクール当日を迎える。
先生
じゃあ、みんなで楽しんで、優勝しよう!!
生徒一同
ハイ!!
合唱コンクールが始まる。
結果は・・・・・・
やりきったな
やりきりました
・・・
やったね、末永さん♪
優勝だ!!
うん・・・
コンクールでは、公太の魂と末永さんの魂がうまくまじり、人に感動を与えた。
公太なしではだめだったかもしれない
末永さんなしではだめだったかもしれない
他の生徒達がいなければだめだったかもしれない。
みんなでとった優勝だった
ららら、今日の、ららら、感情は♪
アルゴまで歌いだした♪
何故かわからんが、そういう気分なんだ
気分か?おもしろいな、アルゴは
そうだな・・・
達成感かな。
やりとげたから♪
達成感か。覚えておく