翌日アルゴが話しかけてくる。

どうして、お前は学校というものにいかないんだ?

行きたくないから、それだけだ

まぁ、選ぶ権利はあるだろうな。けど義務教育だろう

・・・

外にいくぞ、とりあえず

わかったよ

ドアの前でまた立ち止まる良太。

頼む・・・アルゴ

どうしてなんだ?
お前はここで立ち止まる

このドアを俺は開けられないんだ・・・ある日から

できるはずだ!!お前の意思で!!

できないんだ!!
動かないんだ!!
手が足が体が!!

全然動いてくれないんだ・・・

俺には理解できないな・・・

俺だって理解できないんだ・・・なんで・・・こうなってるのか

・・・わかった・・・開けてやる

アルゴが良太の体を動かす。外に出る良太達。

・・・出ちゃえば動くんだけどな

わからないな。

アルゴがわかったら教えてくれ

・・・考えとこう

そして、外を歩く。

なんか、見たいものはあるのか?

お前の感情が動くところをみたい

動いてるよ今も・・・

感じ取れないな・・・

・・・・

そして、良太たちはひたすら歩く。いろんなところを。そして、ある時間帯になってしまった。

おう、今日は部活なくてよかったな

このあとどっかいくべ♪

!!

良太は隠れる。見つからないように。

アルゴ・・・帰ろう・・・

なんで、隠れたんだ?

会いたくないんだ・・・

そうか・・・同じ人間なのにか?

いいや・・・違う人間だよ・・・
俺と同じやつなんていないよ・・・

有機化合物の集合体だ、お前らは。私は無機化合物のかたまりだがな

アルゴみたいに割り切れたら・・・
楽だよな

お前は機械になりたがってるな

アルゴもやめたほうがいいよ・・・感情なんてないほうが楽なんだ

それは俺の存在理由がなくなる。

・・・ごめん。
そういう意味じゃなかった・・・

思考が読めないな・・・

良太は家に帰る。落ち込んでいた。

だめだな・・・思考が弱すぎて感知できない・・・

おい!!

なんだよ・・・

なにを怖がっているんだ!!
貴様は!!

き、貴様!?

そうだ貴様だ!!
社会の底辺クズのやつは貴様とゆう!!

けして、あなた様ではない!!

お前だってポンコツやろうだろうがーーーー!!

だからどうした?お前が何を怖がっていると聞いてるんだ!!

・・・

お前にわかるわけないじゃないか・・・俺が・・・体験したことなんて・・・

そうか・・・過去になにかあるのか

お前思考を!?

過去に何があった!!

いうわけないだろう!!

アルゴは良太の思考の中に入っていく。良太は過去の出来事を思い出してしまっていた。
良太小学4年生の時の話だ。
クラスでいじめられている子がいた。

やめてよ!!返してよ!!
僕のランドセル!!

欲しかったらここまで、こいよ!!

そうだ、そうだ!!

やめろよ!!お前ら!!

なんだよ!!良太やんのか!!

いいよ。俺が代わりになるから。
そいつはやめてあげろ

ははん、いい度胸だな♪良太

良太はその日からいじめられた。

クラスで馬鹿にされ、のけ者にされた。


ある日良太に向かってみんながものを投げ出した。

おら、おら、鬼はそとーーーー

良太くん、そっちに逃げても無駄だよ

やめろよ・・・
こんなの何が楽しいんだ・・・

お前も投げろよ

えっ?

そうだよ

・・・

そして、良太がかばったその子は、

・・・

えい!!

良太に物を投げつけた――

よくやった

今日から仲間だな

そうか・・・
俺が・・・
おかしいのか・・・
あいつらが正常なんだな・・・・

それ以来、良太は自宅の扉を開けられなくなっていた。母親も心配したが、息子を見守ることにした。アルゴはそれを読み取った。良太の記憶を。

これだけなのか・・・これぐらいでだめになるのか

全部見たのか・・・アルゴ

あぁ・・・お前の六年生の時の記憶を覗いた

俺がおかしいんだ・・・
助けなきゃよかったんだ

善意だろう

役に立たないんだ、善意なんてものは

違うな・・・お前が感じてる・・・その感情は善意じゃない

じゃあ、なんだよ!?

俺にはわからない・・・お前が教えろ俺に

・・・無理だよ・・・

そんなのーー!!

良太は部屋のものを壊す。

はぁ、はぁ

感情が激しいな・・・うらやましい

えっ・・・?

俺が知りたいのはそれだ・・・
お前がうらやましい

アルゴ・・・

良太は落ち着いて、アルゴと話始める。

アルゴなら・・・どうした?

敵ならすべて排除する

そうか・・・

けど、あの時お前はそうはしたくなかった

・・・・うん

それが感情だろうな。難しいものだな

難しすぎるだろう・・・

お前に俺が力を貸してやる!!

えっ?

もう一度、そうなったら俺がお前の体を使ってそいつらを排除してやる

・・・

飼い主としての義務だな

自爆機能ついてたり・・・
物騒なやつだよ・・・ほんと

学校にいけ・・・問題がわからないと解きようがない

アルゴ・・・ 

俺も万能じゃないからな、情報を集めないと問題は解けない

ポンコツめ♪

貴様め♪

アハハハ・・・

ありがとうアルゴ

それがいまいちわからんな・・・ありがとう?

良太は母親と食事をするときに話す。

かあさん・・・

どうしたの?

いけたら、学校にいってみようと思う 

・・・そう


  

いってらっしゃい

うん・・・

良太は布団でアルゴと話す。

今日のお前の感情はなんだったんだ?

色々あったけど・・・
一番は勇気かな・・・

勇気?

学校にいくと決めたから・・・

さすがは勇気化合物だな

おやじギャグまで搭載してきたな

勉強熱心だからな、俺は。
覚えとく、勇気。

pagetop