【18】
い、いえ……いいです
僕は踵を返した。
人買いに捕まっていたのだ。
はい次、と
新しい人が出てきたところで
信用なんてできない。
待て! そっちは!
声が追いかけてきたけれど
足は止まらない。
馬車からも戦車からも離れて
ボクはただ走った。
あっ!
足が滑った。
そのままずるずると砂の中に落ちていく。
あ、あ、あ!
まわりの砂がざらざらと落ちていく。
ボクのまわりをすり鉢にように
砂の穴が広がっていく。
なんでっ! なんで……
手を伸ばしてもなにも掴めない。
指の隙間から
砂がざらざらとこぼれ落ちる。
そして