【17】

























地を響かせるような音が聞こえた。
その音は徐々に多く、大きくなっていく。

なんの音……?

わからない。聞き慣れない音だ






悲鳴が聞こえた。



それから馬車は
大きく2度揺れて



そして、止まった。


























……な、に?


外でなにかが起こっている。

それは
乗っているだけのボクたちにもわかった。

……ちょっと待ってな


彼が隙間から外を窺う。

今のうちに逃げたほうが

待て。もう少し様子をみたほうがいい

鳥男が声を潜めた。

でもすぐ逃げられるように注意して。
こういうのはタイミングが大事だ

うん

……


ボクを縛っている縄は
解けそうにない。

足が動くから走ることはできるけれど
転んだら立ち上がれないし
ホウキにだって……

そうだ! ホウキ!


ホウキはどうしただろう。
あの店に
置いてきてしまったのだろうか。


見回したけれど、馬車の中にはない。





よし、皆出ろ


そんなことを考えている間に
彼が戻って来てしまった。

出ろ、って……


何故、自分たちと同じように
捕まっていた彼が
そんなことを指示するのか?

そんな不信からか
皆、動こうとはしない。

いいから出ろ。早く

彼は苛ついた様子でシルフィの腕を掴むと
馬車の外に放り出し、

怪我したくなけりゃお前らも出ろ!

と言い放った。








(持ち物からホウキ、武器防具が消えます)

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