七つの鍵穴に七つの鍵を差し込み、回す。金属めいた音を立てて、扉はゆっくりと開かれた。
七つの鍵穴に七つの鍵を差し込み、回す。金属めいた音を立てて、扉はゆっくりと開かれた。
じゃあ後は勝手にしてくれ。僕は帰るからな
アスカ。きちんと相手してやれなくて悪かったな。三周目があれば、その時はちゃんと相手してやるさ。今回は、助かったよ。ありがとう
いいってことさ。それより、気を付けろよ。神の正体はイフリートしか知らないけれど、あいつが今回の神は面倒だって言ってたからな
心配ないさ。事情は知らないが、俺は全力で叩き潰すだけだ。それじゃあな
手のひらを振って、別れを簡単に済ませる。一歩進んで、だがしかし。俺たちは揃って溜息を洩らした
これを上るの!?
どう考えても、無理
出来れば私も、遠慮したいかな・・・
ふむふむ、じゃあこうしようか
最早終わりが見えなかった。上りきるだけで、下手をすると一週間もかかるんじゃないか。だから俺は、腕を組みこう言った。
『天変地異』発動。男と女
何よこれ!?
コーン、コーン
ねえ、私だけ扱いおかしくない? 何なのゴリラって? 雄だからセーフとでもいうの? 誰か答えろや!?
ははあ。皆の場合こうなるのか。カティアが見ると可哀想だな。今度エリシアだけを見せてあげよう
それってどういう意味や。お兄やん!?
落ち着けよゴリシア
ゴリシアって何やのん!!
ゴリシア五月蠅い
ゴリシア・・・ふっ
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!! もう許さないよお兄やん!!
悪かったって。真面目にやるから。『天変地異』。入り口と出口
さて、これでこの扉をくぐれば、天空に着くはずだぜ!
流石じゃない!? やっぱりあなたを選んで正解だったわ
眩しい、光が見える
そして俺たちは扉をくぐった。
雲の上の橋。かなりの絶景ね
ここから落ちたらどうなるんだろう
なあ、お前が渡ると落ちるんじゃないか? 体重何キロだよゴリラ?
ごめんなさい!! せめてゴリシアにして!!
そんなのどうだっていいよ。それにしても、空が真っ青だね
何てったって雲の上だからな。空を隠すものなんて他にはない。さあ、行くぞ! 遅れんなよゴリシア
うほっ! ってだからやっぱりゴリシアもいややわ!!
冗談もほどほどに、俺たちはその橋を渡り、その先へと駆けた。
空が青い。青すぎて不気味なほどに。橋を渡ると、そこは見覚えのある場所だった。
天空の城。かつてアルティメットしりとりにて俺が地上に落とした城であり、神と思しきものと僅かな体面を果たした場所。
あの時と同じように佇む人影。だけど、今度ははっきりと姿が見える。
やって来た俺たちを見て、彼は笑いこう言った。
やあ、君たち。ここまで辿り着くのを待って・・・って誰だい君たち!?
そう言えばこの姿のままだったな。戻れ!!
コーン、コ―・・・あっ(〃▽〃)ポッ
やったー、戻った!!
あなた、それでいいの?
何が?
いや、気付いていないなら知らない方がいいわ
さて、姿も戻ったことだし本題に入ろうか。やはり、お前だったんだな
へえ、僕の事に気付いていたのか
どんな奴かは知らなかったが。一周目で神と対峙した時、あの場にいた四人目のプレイヤー。そいつの気配とお前の気配が一緒なだけだよ
へえー、流石天才だね。そうさ。あの時絶好のチャンスだと思ったから、僕が神をやった。それだけのことだよ
あなたのせいで私の国は、大変な目にあった
つまり、君が神様で、お兄やんがさくっと倒せばゲームクリアってことだね!?
ああ、そうかそうか。君たちプレイヤーには新しい神の正体までは伝わらないから、ここに来るまで誰が神か知らなかったんだね。そうだ、神はここにいる。では、僕から改めて紹介しよう。二周目における、新しい神を
男が宣言する。目の近くに指を向け、準備を整える。
同時に。
俺の背後で、何かが倒れるようなそんな音がした。
そんな・・・
なん・・・で?
では、紹介しよう。第二周から新しい神となった、立鳥明日奈くんだ! よろしく頼むよ
・・・