気付けば日はもうほとんど沈んでいた。
気付けば日はもうほとんど沈んでいた。
幾万の星の輝きと大きな満月が海面に映り、もう一つの世界を作り出す。
風は無かった。聞こえるのは、静かに波打つ水の音だけ。
そんな、静けさに包まれた白い砂浜の上で、彼らは向かい合っていた。
何の用だ?
いや、用があるのは君ではないんだ。向こうで高みの見物をしている、リリア。お前だよ
私!?
黒髪の少女に名前を呼ばれたリリアは、ぴくんと体を強張らせる。
僕は風の国の女王、アスカ。ファッレレって言うんだけど、うちの国はフレーレ何かとは違って、ルール変更前からあった大国だ
つまり、このゲームを知り尽くしている。フォルトマのエリシアやフレーレのリリアとの実力差も、火を見るより明らかだろう。
そんな大国の女王が、私のような小国の主に何の用?
いやさ。新しく加わった国の王って、聞けば聖人を召喚できないらしいじゃん? 「聖人召喚」って名前を心の中で呼びながら唱えるか、ただ名前を呼んで願えば来るのにさ。だから、そんな弱い王はもういらないんじゃないかなって思ったんだよ
おい・・・ディーゼルの奴は呼ぼうとしてたが、リリアは呼べないのか?
だって・・・その名前を知らないんだから
私も名前知らんから呼んだことないよ
——俺はもしかして使えない王たちを仲間に着けてしまったのだろうか。
少しだけそんな自分を呪った。
なら仕方ないな。作戦変更だ! エリシア、『アルティメットしりとり』だ!! ・・・リリアはその辺にでも隠れてろ
ほい来たお兄やん。『アルティメットしりとり』スタート!
エリシアの宣言とともに、俺の右腕の機械に通知が来た。
アルティメットしりとり
スタート
先攻はアスカ
文字は『し』
何か向こうから始まったぞ。じゃんけんじゃないのか?
じゃんけんは向こうが同意したらだから。普通は相手から始まるし文字もランダムだよ。今回は絶対同意してくれないだろうしね
そうかそうか。だとするとあの時のじゃんけんは全くの無駄だったという事か
後でこいつを縛って目の前でお菓子を食ってやろう。そう心に誓った。
ルールは知っているよ。じゃあ、早速行かせてもらう。『死神の数珠』
ケケ。もう勝負は決まったな
出現した不気味な数珠を手に持ち、アスカの隣の男が笑った。——何だこいつ、気持ち悪いな。
何だお前、気持ち悪いな
思ったから言った。隠し事は良くないからな。
うちの魍魎を馬鹿にしないでもらおうか。ファッレレの聖人であり、僕のパートナーだ。そして『死神の数珠』は魍魎の宝具。君たちの負けだ
そんな時、聞き慣れた音が響いた。
あ、ごめん。聞いてなかった。こっち確認するから少し待て
向こうからガミガミと文句が飛んで来たが全て無視し、右腕の機械に目をやる。画面にはこう表示されていた。
お気に入り数が20に
達したことによる、
『ハートカウンター』
発動のお知らせ
それを確認し、もう何度と見た詳細画面は開かずにアスカを見やる。
くそ! こうなったら君たちの聖人の宝具である『神角』と『グンギョニル』も魍魎に装備してやる!
へー。聖人一人一人に宝具ってのがあるんだ。んじゃ『神角』
ふんっ。あなたがそれを持っていたって、「モーグリ」がいないんじゃ意味ないわ!『黒の封具』
言って、、魍魎の手に、刃の部分が包帯とお札でぐるぐる巻きにされた一本の剣が現れた。
さて、これも魍魎の宝具だ。七つの聖人の中で唯一の宝具二つ持ち。対して君たちには「モーグリも」「ギョッさん」もいない。もはや勝負は決しているよ。行こうか、魍魎
ケケ。全て終わらせる
魍魎が剣を構え、アスカは印を結ぶ。
闘いが始まる。聖人を連れた王からの圧倒的なオーラ。
だから。
『グンギョニル』。エリシア。リリア。お前たち二人で、あいつに勝てるな?
今なら何でもできそうだよ!
私も、負ける気がしない
『神角』をエリシアに、『グンギョニル』をリリアに渡す。
さあ、行くよ!『ルーラーの金庫』!!
ドスンと、アスカの足元に青い金庫が出現する。
同時に、二人は叫んだ。
モーグリ!!
ギョッさん!!
・・・
・・・
そして、俺も叫んだ。
そっちは任せたぞお前たち。
『国王』!!
直後。聖人とともに、俺以外の全ての人が消えた。
そして——
さて、俺の力を試させてもらおうか
・・・
・・・
・・・
・・・
四人の国王と、俺は対峙する。
お気に入り20突破御目出度う御座います(*^o^*)
なんか、私はこの物語を「不幸ランダム」が起こるんじゃ無いかとガクブルしながら見てます(笑)
スキルの案出しても良いのかな? 良いなら
自分の行動(スキル発動や攻撃、移動や発言等)以外のすべての事柄(自分以外のスキル発動や攻撃、移動や発言等)に割り込む事が出来る。
割り込む事を宣言するか念じる事で、攻撃等を割り込ませる事が出来る。ただし、このスキルを連続して発動する事は
出来ない。
発動条件
このスキル以外のスキルを発動していた場合。発動する事は出来ない。
特筆事項
自分以外の発言に、自分のスキルや攻撃を割り込ませる事は出来ない。