その後、菜由も加わって3人で食事をとったり
お菓子を食べたりした。
そして色々な話で盛り上がっていると、
あっという間に数時間が経過してしまった。
菜由はお店の手伝いがあって
そろそろ戻らないといけないということで、
それをきっかけに私も家へ帰ることにする。
それにしても楽しい時間って
過ぎるのが本当に早く感じるなっ♪
その後、菜由も加わって3人で食事をとったり
お菓子を食べたりした。
そして色々な話で盛り上がっていると、
あっという間に数時間が経過してしまった。
菜由はお店の手伝いがあって
そろそろ戻らないといけないということで、
それをきっかけに私も家へ帰ることにする。
それにしても楽しい時間って
過ぎるのが本当に早く感じるなっ♪
じゃ、またね。
ばいばい、綾音。
私と菜由は店の前まで見送りに来た綾音に
手を振った。
すると綾音は跳び上がりながら、
両手を大きく左右に振り返してくる。
まったねぇ~っ!
――バカ。
大声で叫ぶな、恥ずかしい。
その時、私の後ろから誰かの声がした。
振り向いてみると、
そこには大河内 駿(しゅん)先輩が
頭を抱えながら立っていた。
大河内先輩は綾音のお兄さんで大学1年生。
うちの高校のOBで、写真部の前部長でもある。
私たちとは3歳違いだから、
中学や高校へ一緒に通ったことはないけど
綾音や部を通じて面識があるんだよね。
そして、私が憧れている人でもある……。
鷲羽さん、菜っちゃん。
こんにちは。
お、お帰りなさい。
大河内先輩……。
おかえり、駿ちゃん。
あーあ、
目障りなのが帰ってきたよ。
早くどっか行け! シッシ!
大河内先輩を煙たそうに
手で払い除けるようにする綾音。
実のお兄さんなのに酷い扱いをするなぁ。
仲は悪くないんだろうけど……。
ここは俺の家なんですけど?
それに出入り口はそっちだから
お前こそ早くどっか行け。
そこにいると入れないんだよ。
――っ!
綾音も駿ちゃんも
兄妹ゲンカは
ほどほどにしておきなよ?
早希だって見てるんだから。
すかさず仲裁に入った菜由のおかげで、
大河内先輩と綾音は
気勢をそがれたみたいだった。
さすが菜由、幼馴染だけあって慣れてるなぁ。
そんな感じで感心していると、
不意に大河内先輩が私の方へ視線を向けてくる。
ところで鷲羽さん、
最近の写真部の様子はどう?
綾音に聞いても
教えてくれないんだよね~。
相変わらずですっ♪
それなりに仲良くやってます!
それは良かった。
困ったことがあったら
遠慮なく相談しに来てね。
……先輩面しやがって。
だって実際、先輩だし。
それより綾音、
なるべく早めに準備を――
言うなよっ!
突然、物凄い剣幕で綾音が怒鳴った。
そして敵意をむき出しにして
大河内先輩を睨み付けている。
――綾音、どうしたんだろう?
今さっきまでとは雰囲気が全然違う。
まるで怒りの質が別物みたいな感じ。
鬼気迫るようなその威圧感に押され、
誰も何も言えなくなってしまった。
その場には重苦しい空気と沈黙が流れる。
……悪い、綾音。
やがて大河内先輩は
眉を曇らせながら素直に謝った。
一方、綾音は俯いたまま何も答えない。
2人のこの反応はいったい……?
じゃ、じゃあ、私は行くね。
あ、それなら私も。
う、うんっ! ゴメンねっ♪
急に大声を出しちゃって。
またねっ。
綾音はばつが悪そうな顔をしながら
軽く頭を下げた。
すると続けて大河内先輩も私たちの方を向いて、
いつもの優しい笑顔へと戻る。
鷲羽さん、菜っちゃん、またね。
ばいばいっ!
さようなら。
そのあと、
私はお総菜屋さんの前で菜由とも別れ、
1人で家へ向かって歩いていったのだった。
それにしても気になるのは、綾音のあの態度。
なんで急に怒鳴ったのかな……?
次回へ続く!