盗賊達に攫われた王兄姫を追って、セレスフィーナ達はさらに山の奥へと足を踏み入れていた。
手掛かりは唯ひとつ。『巨大花』……。
その花のある場所が、盗賊達の隠れ家への入り口になっているらしい。
けれど、どこを探しても目当ての物は見つからず、サージェスティンとの出会いから、すでに一時間は経過してしまっている。
小さな泉の側で木の幹に背を預けると、セレスフィーナは女神のように美しい面差しを曇らせた。
どうしよう……、双子の弟も、ガデルフォーン騎士団の長であるサージェスティンも、戻って来ない。