エミリーのパパは自分の経験を語り始めた!!
エミリーのパパは自分の経験を語り始めた!!
15年前、私はアメリカ大使館員の救出にアルカシラへ派遣されていた。私はあそこで地獄を見たんだ・・・
15年前、アルカシラはボッチャマ大統領率いる独裁政権に支配されていた。飢えた国民を放置して軍備拡張に邁進する。最低最悪な独裁政治だった・・・。
新型ミサイルの開発は、まだこれしか進んでいないのか!!
申し訳ありません・・・。開発資金が不足しておりまして!
バカ者!金ならもっと税を上げればすむだろうが!
しかし、これ以上の国民への増税は・・・既に一部の地域では餓死者まで出ています
そんなこと知ったことか!
来月までに絶対に仕上げろ!!いいな!
くそっ!国民の負担もすでに限界です!ゼンノ将軍、今こそクーデターのときです!
待て、イーノ大佐。確かに私もはらわたが煮えくり返っているが・・・あの男の首を取るとなると・・・。軍の大半は奴が掌握してるのだぞ!
安心してください!こちらにはエンガーチョ博士がいます!
エンガーチョ・バッチィ。あのノーベル物理学賞を2回も取ったアルカシラ建国以来の天才か?
はい。博士ならきっと良い方法を教えてくださるはずです!
こうして、エンガーチョ博士の家を訪ねたゼンノ将軍とイーノ大佐だったが・・・
ううーむ。ボッチャマを倒す方法ですか・・・
エンガーチョ博士の頭脳で何とかならんか?
確かに・・・ない訳ではないですが・・・
教えてくれ!一体どんな方法だ?
私が開発したエンガーチョバリアを使えば・・・
エンガーチョバリア?
高密度のエキゾチック粒子の集積により一切の物理法則を無効とするカラビ・ヤウ空間を出現させ・・・
何を言ってるかさっぱり分からん・・・
アルカシラ語で説明願います
失礼・・・。要は敵の攻撃を受け付けない無敵のバリアを発生させるんです!
何だと!そんなことができるのか!
はい。だが、有効なのは1時間だけです。1時間でボッチャマの軍を全滅させるなんて・・・
我々の同志の数は?
せいぜい300といったところでしょうか?
無理だ・・・300で50万の正規軍を倒すなんて不可能だ!
果たしてそうでしょうか?
というと?
大統領宮殿のあるアルカシラ市民10万人が我々の反乱に加われば・・・
しかし、丸腰の市民ではいくら数が多くても・・・
来月、ボッチャマはナインジャネダムの視察に向かいます
アルカシラ山脈の奥地にあるあのダムか?
そうです。その隙に大統領宮殿を攻撃し、テレビ局を占拠して市民に決起を促します!
市民の忍耐はすでに限界だ!皆、蜂起に加わるだろうな
当然、怒り狂ったボッチャマは全軍を大統領宮殿に差し向け、自身は安全な別荘に避難するでしょう
そこで、我々は別荘にいるボッチャマにエンガーチョバリアを使って攻撃するんです
なるほど・・・。確かにうまくいきそうな作戦ですが・・・、しかし、それは市民をおとりに使うということでは?
仕方ありません。勝利のために必要な犠牲です
そうか・・・ならばやむを得んな・・・
ずいぶん、ひどい話ね・・・。それで革命はうまくいったんですか?
ああ。エンガーチョバリアのおかげで革命は成功した。ゼンノ将軍とイーノ大佐は今じゃアルカシラの英雄だ
・・・・
確かにアルカシラの民主化のためにはやむを得なかったのかもしれない。だが、あのときアルカシラ市内に入った私が見た光景は悲惨そのものだった・・・。
結局、大統領宮殿に集まった数万人の市民は一人残らず全滅したんだ・・・。
私は無事、アメリカ大使館員を救出できたものの、国境までの至る所が市民の遺体であふれていたよ・・・。
平和な日本じゃ想像もできないことね・・・
そんなふうに目的のためなら手段も犠牲も厭わないのがアルカシラの国民性だ!あの国の奴らと戦ったら勝ち目はない!おそらく米軍と刺し違えるのだって覚悟の上だろう
そんな・・・でもいくら何でも・・・
パンティーゲットするために命を懸けるなんて・・・
と、別のお話かと思われるくらい場が沈み切ったところで、落田舞とエミリーが帰ってきた!
タダイマ~!
ありましたー!これですよね!!
おおっ!それよそれッ!まさにそれよ!
これでうちの優勝は確定ね!!
ありがとう!二人に感謝だわ!
なんの!インターナショナルに優秀な後輩にお任せください!
お役に立ててウレシイデース!!
こうして、優勝したかに思われたトロロ学園探偵部だったが・・・。