幽霊よりも甘味が食べたい

第15話
「開かずの教室の神隠し」
(壱)




     













ミカ

ゆみゆみどうしたの~? なんか顔色悪くない?

佑美奈

うん~……なんか、変な夢を見てね。ちょっと

ミカ

そうなの? じゃあ今日やめたほうがよかった?

佑美奈

ううん? しらゆきのケーキ食べれば治るから大丈夫だよ、ミカちゃん

ミカ

あはは、そうだと思った~

   

 ケーキ店『しらゆき』

 夏休み、七月の終わりに、わたしはミカちゃんと二人でこのお店に来ていた。

 ここはチーズケーキが美味しくて、わたしのお気に入り。

 地元の北千藤から電車で二駅かかるため、行こうと思ってふらっと寄れるわけではないのが難点。そうじゃなければ毎日でも通うのに。


 ケーキの販売がメインで飲食スペースはそれほど広くはないけど、ウェイトレスさんもちゃんといる。

 色んな種類のケーキが売っていて、どれもとっても美味しいんだけど、今日の目当てはチーズケーキ。

 夏休み最初のしらゆきは、やはりチーズケーキを食べないと始まらない。



佑美奈

それに……本当に変な夢を見たし

     
 変な、というより不思議な夢。

 とてもリアルで、内容もちゃんと覚えている。あんみつの味までも。

 だからこそ、あれが本当に夢だったのかどうか、わからなくなる。

佑美奈

白鷺……鳴美

     


 それはおそらく、ピヨ助くんのかつての先輩の名前。

 どうしてその人と会話をする夢を見たんだろう……?

    





ミカ

そういえばさ~また新しい怪談話仕入れたんだけど、聞きたいよね?

佑美奈

えぇ? 唐突だね、ミカちゃん。
というか夏休みなのにどうやって情報を仕入れてるの?

ミカ

そこは企業秘密だよ~。せっかくゆみゆみと遊ぶ約束してるんだし、怪談の一つも話してあげないとって思ってね~

 ああ、やっぱり。ミカちゃんの中ですっかりわたしは怪談好きになってしまった。

佑美奈

そ、それはありがたいけど……。そこまで無理しなくていいんだよ?

   
 なにより、今ピヨ助くんがいない。わたしだけ話を聞いてもしょうがない。

 わたしに取り憑いているヒヨコの幽霊、ピヨ助くんは基本的には学校から出ることができない。

 学校から出たい時は、常にわたしの側にいなければならず、ここに連れてくるには一度学校に寄る必要があるのだ。


ミカ

無理してないよ~。あたし自身楽しんでるからね

佑美奈

それならいいけど。
ん~、じゃあ今度はどんな話?


 少し迷ったけど、そろそろピヨ助くんに会いに行こうと思っていたし。土産話にちょうどいいかもしれない。

 ……あんまり危険な怪談じゃないといいけど。


ミカ

今回聞いたのはね~。

『開かずの教室の神隠し』

って話なんだけど~……

   
 ミカちゃんはそう言って、怪談を話し始めた。



   









『開かずの教室の神隠し』

 昔、校内で一人の女子高生が行方不明になった。


 最後に目撃されたのはある教室に入っていくところで、その後学校を出た痕跡も無く、神隠しにあったのだと噂されるようになる。

 それ以来その教室では窓ガラスが割れたり、机がめちゃくちゃに動かされていたり、黒板がチョークで真っ白くされていたり、不思議なことが起きるようになった。




 そのため翌年度からその教室は使われなくなり、封鎖されてしまう。

 今ではその教室がどこにあるのか、使われているのか、わからない。


 ただし、あることをすると、開かずの教室が目の前に現れるという。



 放課後の夕暮れ時。誰もいない廊下の真ん中で、右に三回、左に二回回ると、目の前の教室が開かずの教室に変わっているのだ。




 開かずの教室は、目に見えない世界への入口。入り込んでしまえば、もう出ることができない。神隠しに遭ってしまう。

 姿は消えて、そこにいたということさえも、すべて消えてしまう。いなかったことになってしまう。




 開かずの教室から出る方法は二つ。


 新たに誰かが迷い込み、入れ替わりで外に出る。

 もしくは、開かずの教室の本当の場所を言い当てることができれば、外に出られるという。









   







ミカ

いなかったことになってしまうって、どういう意味だろうね~?

佑美奈

うーん、たぶんみんなから忘れられちゃう、とかかな……?

ミカ

うわ~……それは嫌だなぁ

   


 確かにそうなったらかなり恐ろしい怪談話だ。

 でも開かずの教室に入るためには特殊な行動を取る必要があり、偶然巻き込まれてしまう心配はない。

 そこは良心的……と思ってしまうあたり、わたしもだいぶ毒されているような気がする。

 一応脱出方法も付いてはいるけど、これは……。




佑美奈

ねぇミカちゃん。最後の、開かずの教室の本当の場所って、わからないの?

ミカ

そうそう、わからないみたいなんだよね~。当てずっぽうで言うしかないのかな?

佑美奈

やっぱりわからないんだ……

   
 だとしたら、脱出方法なんてあってないようなものだ。もう一つの入れ替わりで脱出するのだって、いつ誰が試してくれるかもわからないし。


 ……そもそも、今度はその人が神隠しに遭うわけだし。



お待ちどおさま。
チーズケーキと紅茶のセット、二つです

     
 ちょうどそこへ、頼んでいたチーズケーキと紅茶が運ばれてくる。

佑美奈

ああ、待ち焦がれていたよ、愛しのチーズケーキ!

まるで黄金色に輝いているかのようだよ

   



……ところで、あなたたち千藤高校の生徒よね?


 チーズケーキに見惚れていると、運んでくれたウェイトレスさんが話しかけてくる。

 顔を上げると、そこには髪の長い綺麗なお姉さん。このお店に来るとよく対応してくれるウェイトレスさんだ。

佑美奈

はい、そうですよ

ミカ

そうですよ~。お姉さんは~?

私ね、千藤の卒業生なのよ

佑美奈

え、そうなんですか?

ミカ

おお~。それは偶然

そうね、すっごい偶然。

しかも、どこかで聞いたことのある話をしてたから。ちょっと気になっちゃって

    
 それはつまり、今の怪談話のことだろうか。

 ウェイトレスさんが在学中もこの怪談話が流行っていたということになる。

それに、あなたは常連さんだしね?

   
 ウェイトレスのお姉さんがわたしにウィンクする。
 わたしは嬉しい半分恥ずかしい気分で笑う。

佑美奈

あはは……。はい、チーズケーキがお気に入りで

あら、嬉しい。……あとでサービス券あげるね

佑美奈

い、いいい、いいんですか?

嬉しそうね?

いいのよ。私、これでもこの店の娘だから

佑美奈

そうだったんですか?!

   
 道理で、よく見かけるはずである。



あの学校って昔っから怪談話が多いんだけど、今もそうみたいね

ミカ

そうですね~。探せばいくらでも出てくるっていうか~

佑美奈

……ミカちゃん、そんなにたくさんストックがあるの?

   
 ピヨ助くん全部の怪談を調査するって言ってたよね……。いったいいくつ調査するつもりでいるんだろう。


ミカ

あ、ひとつ聞いてもいいですか~?

どうしてここ『しらゆき』って言うんですか~?

佑美奈

あ……それ、わたしもちょっとだけ気になってました。
名前の由来とかあるんですか?

   
 店の全体的なイメージが白だから、と勝手に思ってはいたが、正解があるのなら知りたい。

 だけどお姉さんは少し恥ずかしそうに頬を掻いて、目を逸らす。


ああ~……確かに由来はあるよ、うん。私はね、娘だからね。もちろん知ってるけどね

佑美奈

言いにくい由来なんですか……?

いやぁちょっとだけ恥ずかしくて……

   

 と、その時だった。

 

友紀子~。次のケーキ運んでちょうだい~

あ、ごめん母さん!

    

 カウンターから声がかかり、お姉さんが返事をする。

佑美奈

ゆき……こ。……あれ?

あ、もしかして気付いちゃた?

佑美奈

なんとなくですけど。でも確証がないので……

急ぐから答え、言っちゃうね。

私の名前、白鷺友紀子なの。

『しらさぎ ゆきこ』
それで『しらゆき』なんだって

佑美奈

ああ、やっぱり…………

って、えっ?

   
 恥ずかしがっていたし、名前が使われているのだろう、というのは予想が付いた。

 でもその名字が……白鷺?


ミカ

おぉ、なるほど~。ゆみゆみよく気付いたね~

佑美奈

あ、あの!
すみません、白鷺鳴美という名前に心当たりはありませんか?

    
 手を振ってカウンターの方に去ろうとしていたその背中に、わたしは慌てて声をかけた。

 友紀子さんはピタッと動きを止めて、振り返る。




友紀子

……ううん? 知らないけど?

     




佑美奈

そう、ですか。ごめんなさい、お仕事中に。変なこと聞いて

友紀子

気にしないで。話しかけたの、私の方だから

   

 そう言って今度こそ友紀子さんは仕事に戻っていった。




ミカ

ゆみゆみ、今聞いたのって誰のこと~?

佑美奈

え、あ……うーん、わたしもよくわからないんだよね

ミカ

え~? なにそれ、どういうこと~?

佑美奈

なんでもないよ、わたしの勘違いだったみたいだし。
それよりチーズケーキ食べよう!

   
 そう言って誤魔化すも、ミカちゃんは意外としつこく聞きだそうとしてきて大変だった。



   

 チーズケーキは相変わらず美味しく、しっとり、かつ、ふんわりで、絶品だった。

 さっきのことは気になったが一旦すべて忘れてケーキの味に感動をした。

 これほど素晴らしいチーズケーキに出会えたことに、感謝を。


ミカ

ゆみゆみって本当に幸せそうにケーキ食べるよね

佑美奈

だって本当に幸せなんだもん!


   
 ケーキは戦争をも無くす。


 本気でそう考えているくらい、わたしはケーキが好きなのだから。


     












   





佑美奈

……まぁさすがに、まったく気にしないわけにもいかないよね

     
 ミカちゃんと別れた後、わたしは学校前に来ていた。


 白鷺鳴美さん。
 彼女と話をする夢を見た後に、同じ名字の白鷺友紀子さんと出会った。

 そもそも『しらゆき』のお店を経営しているお家が『白鷺』だというのも知らなかった。


佑美奈

ピヨ助くん、しらゆきのこと知ってたんだよね。そういえば

   
 わたしは少し前の会話を思い出す。

     






佑美奈

ピヨ助くんも『しらゆき』知ってるんだ?

ピヨ助

まぁな。今でもあるなら、繁盛してるってことだな。なによりだ

     


   






 そして、白鷺鳴美さんは、おそらくピヨ助くんの先輩だ。


 ……これは全部、偶然なの?


 わたしはどうしても気になって、ピヨ助くんに会いに行こうと決めたのである。

 もっとも、会ってどうなるわけでもないんだけど……。

 ここまで来たら迷っても仕方が無い。わたしは敷地に一歩踏み出す。



佑美奈

ピヨ助くん、いるー?

     



ピヨ助

むっ、なんだ、来たのか

佑美奈

……ひっどいなぁ。寂しがってると思ったから来てあげたのに

   
 校舎の方からふよふよと飛んでくるピヨ助くん。

 別に羽で飛んでいるわけではないので、幽霊的な感じで浮かんでいるようだ。


ピヨ助

別に寂しがってねーよ。
こんな時間に来るとは思ってなかったからな

佑美奈

わたしも来るつもりはなかったんだけどね。ちょっと気になる話が……

 わたしはそこで一度言葉を止めてしまう。

佑美奈

……怪談話を聞いちゃってね

ピヨ助

ほほう? まさかお前からそういう話をされるとは思わなかったぞ

   
 白鷺鳴美さんについて。

 わたしはどうしても、ピヨ助くんに直接聞くことができない。

 ……鳴美さんのことや、ピヨ助くんの本当の名前のこととか、本当は話した方がいいんだと思う。でも、どうしても聞こうとすると躊躇ってしまうのだ。



 何故ならそれは、わたしが知っていていいことではないかもしれないから。

 それをはっきりさせるのが、少しだけ怖い。

ピヨ助

む? なんだ? 本当にどうかしたのか? 黙り込んで。らしくないな

佑美奈

そ、そんなことないよ?

えっとね、またミカちゃんから聞いたんだけどさ。

『開かずの教室の神隠し』

って怪談。知ってる?

ピヨ助

む……。もちろん知っているが、話してみてくれ

     
 ピヨ助くんがまん丸い目を少しだけつり上げ、真剣な顔になった。

 校舎に向かって歩きながら、わたしはミカちゃんから聞いた話をそのまま話した。

   











ピヨ助

……そうか。内容はほとんど変わっていないな

佑美奈

改変は無いってこと?



 わたしたちは適当に歩きながら話していて、今は三階の廊下だった。

 ここは二年生の一組から四組までの教室と、特別教室が並んでいる。


 ちなみに四階は一年生の五クラス分の教室と音楽室。

 二階は二年五組と三年一組と二組、職員室や特別教室。

 一階は三年三組から五組の教室や、保健室などがある。



 ……二年生、何故かわたしたちの五組だけ、二階なんだよね。

ピヨ助

改変というには微妙だが、一カ所だけ違うところがある

佑美奈

そうなの? どこが違うの?

ピヨ助

開かずの教室の呼び出し方だ

佑美奈

あの、三回回ってってやつ?

ピヨ助

うむ。あそこだけはな……ころころ変わるんだよ。安定しない

佑美奈

え……えぇ? でも一番大事なところじゃないの?

ピヨ助

そうだな、試す上では一番大事なだけに……遊ばれやすい

佑美奈

遊ばれる?

ピヨ助

弄りやすいというべきか。
3回回ってワンと鳴け、なんてのもあったぞ?
10回飛び跳ねろとかな

佑美奈

うっわ、なにそれ。

あ、でもなるほど。確かに弄られやすいのかな……

   
 ピヨ助くんの言いたいことはわかった。

 つまり、呼び出すための方法の部分が変えられやすい。今みたいに、冗談に使われたりしてしまうのだ。

 そのせいで正確に噂が伝わらず、絶えず改変されてしまう。

ピヨ助

それもあって、調査は難航してなぁ。なかなか正解の方法がわからなかったが……

   
 ピヨ助くんがくるっとわたしの方を向く。

ピヨ助

その方法、試してみるか

佑美奈

えー? 間違ってるかもよ? これだって

ピヨ助

かもしれんが……ただ、お前の友だちな。あいつの情報収集能力はなかなか侮れん

佑美奈

……そうだね。
うん、ピヨ助くんもミカちゃんのことがわかってきたみたいだね

   
 その通り。ミカちゃんの情報収集能力はすごいのだ。そのミカちゃんが話してくれた内容ならば、正しい方法の可能性が高い。

 きっと数ある噂の中から、一番数が多く、信頼できる噂を採用して話してくれたに違いないから。



ピヨ助

依頼料はこないだ払ったしな

佑美奈

う……確かに頂きました

   
 いつものとっても甘くて美味しいドーナツは、夏休みに入ってすぐに貰っている。

 前回の報酬分と、次回の依頼料分として、二つ。

 あれを食べた以上、わたしは断ることができない。


ピヨ助

事前調査はしてある。手帳にばっちり残っているから、脱出方法に関しても問題ない

佑美奈

え、そうなの?
それってつまり……本当の開かずの教室の場所がわかってるってことだよね?

ピヨ助

まーな。

……もっとも、これを突き止めたのは俺じゃないんだが……

佑美奈

ピヨ助くんじゃない?
それって……

   

 ……鳴美さん?

ピヨ助

いいから、信じられる筋からの情報だから安心しろ。

ほら、ちょうど廊下には誰もいない。真ん中だ。夕暮れ時だし、条件はばっちりだ。試してみろよ

佑美奈

う、うん……わかったよ

   


 なんだろう、なにかがちょっとだけ引っかかる。



 でもピヨ助くんに背中を押されて、結局試すことにしてしまった。




佑美奈

ええっと、右に三回、左に二回だよね

   
 わたしはその場でくるくる回る。実際に回ってみて思ったけど、これは……。


ピヨ助

はっはっは。
犬みたいだな、佑美奈

佑美奈

ああー! 笑ったね?
わたしもちょっと思ったけど!

   

 やっぱりこれもデマなんじゃないだろうか。



 そう思った時だった。

   


   


 寒気がしたのと同時に、辺りが暗くなった。

 まだ廊下には夕陽が差していたはずなのに、急に沈んでしまったかのように、暗くなってしまったのだ。



 黄昏時に、闇が入り込む。

 いいや、目の前の教室だ。この教室から、闇が溢れ出している。

 わたしは直感的にそう感じていた。




佑美奈

……これ、結構やばくない?
ピヨ助くん……

ピヨ助

どうしてそう思う?

佑美奈

わからない、けど……この中、絶対入っちゃいけないんだと思う……

ピヨ助

元来、神隠しなんてのはそういうもんだ。
神域に入ったため、隠されてしまうってな。そういう逸話が多いと聞く。

……この怪談は存在すら消しちまうんだろ? ヤバイに決まってる

佑美奈

わ、わかってて試させたの?

ピヨ助

安心しろ。脱出方法はあると言っただろう?

それに……どうしても、この怪談だけは調査したかったんだ

佑美奈

え……?

ピヨ助

今まで、呼び出す方法がはっきりしなくて挑めなかったがな。
ついにこの日が来たってわけだ

佑美奈

それってどういう……?

ピヨ助

いいからほら、早く入れ!

佑美奈

う、うわ、まだ心の準備ができてない!

ていうかドア開いてない!

    



 どんっとピヨ助くんに背中を押されてしまい、わたしは開かずの教室の閉まった扉に激突――しなかった。

 ぶつかる瞬間がらりと開き、わたしたちはそのまま中に突っ込んでしまう。



佑美奈

わ……わわ、入っちゃった……

   

 暗い、闇で覆われた教室。


 見えないわけじゃない。床も机も天井も、全部ちゃんと見える。机も椅子も、バラバラだけど置いてあるのが見える。

 だけどそれはすべて闇なのだ。少し目を凝らせば、不気味なほど、呑み込まれそうなほど、気の遠くなりそうなほどの……闇、闇、闇。慌てて目を瞑って頭を振ると、元の床に戻る。


 わかってはいたけど、普通じゃない場所なのだ。






 

ようこそ、開かずの教室へ

   




佑美奈

えっ……

ピヨ助

むっ……やはり、か

   

 聞き覚えのある声に、顔を上げる。


 いつからいたのだろう。宙に浮かぶ机と椅子に、一人の女子生徒が座っていた。





鳴美

ゆみちゃん。
それから、ピヨ助くん……で良かった?

   




佑美奈

し、白鷺……鳴美さん……

    


 今朝、夢で会ったばかりのその人が、そこにいたのだった。

   












続く

第15話「開かずの教室の神隠し(壱)」

facebook twitter
pagetop