ライカさんの言うように、
普通ならサキュバスはターゲットから直接、
精気を吸い取る。
でもそれがないというのは、厄介かも。
サキュバスの居場所が分からないと、
対処のしようがないもん……。
ライカさんの言うように、
普通ならサキュバスはターゲットから直接、
精気を吸い取る。
でもそれがないというのは、厄介かも。
サキュバスの居場所が分からないと、
対処のしようがないもん……。
セーラさん、
サキュバスが姿を現さないのは
なぜなんでしょう?
ターゲットが大人数の時は、
呪いを使って間接的にやった方が
効率がいいですからねぇ。
自分の身に危険が及ぶ確率も
減らせますからね。
ある意味、サキュバスの中でも
慎重な性格のヤツなのかも。
ただ、呪いを使うというのは
全ての精気を吸い取るのに
時間がかかるという
デメリットもあるのですぅ。
そこまでセーラさんが言ったところで、
ライカさんは大きく息を呑んだ。
何か思いついたのかな?
待ってください。
呪いで精気を吸い取るには
魔力が必要ですよね?
それを辿ればなんとかなるのでは?
さすがライカちゃんなのですぅ。
私もそれを考えていましたぁ♪
もしかしてセーラさん、
便利な道具を持ってるとか?
はいぃ、お任せを~っ!
魔力の流れを可視化できる
道具があるのですぅ。
それを使ってみましょ~。
やっぱりセーラさんって
こういう時は頼りになるなぁ。
もし一緒にいてくれなかったら、
どうなっていたか分からない。
そういうことが今までに何度もあったし。
出会いを導いてくれた神様に感謝しなきゃ。
あの、もしそれが
うまくいかなかったら
どうするんですか?
その時はお手上げですねぇ~。
笑いごとじゃないですよ……。
まぁ、なんとかなるでしょ~。
最悪の場合、
この2人を囮にして
おびき寄せてもいいですしぃ。
そうね、自業自得だものね。
少しくらいは痛い目に遭わないと
反省していただけませんしね。
み、みんな酷い……。
その後、僕たちはセーラさんがその道具を
用意するのを待つことにした。
ちなみに僕はその時間を使って
回復薬や戦闘で使えそうな薬などを
カバンに詰めていく。
カレンやライカさんは必要ないって言うけど
何が起きるか分からないもんね。
備えあれば憂いなしだ。
お待たせしたのですぅ。
それが例の道具ですか?
セーラさんが持っていたのは、
手相を見る時に使うような
大きな虫眼鏡みたいなものだった。
でもレンズの向こう側は
物の大きさが歪まずにそのまま見えている。
はいぃ。可視メガネといいますぅ。
可視化したい対象の魔力を
見られるのですぅ。
それじゃ、私たちは
セーラさんの後ろを
付いていきましょう。
セーラさんは可視メガネをクロードに向け、
何かのスペルを唱えた。
直後、僕はセーラさんの後ろから
チラリとレンズの方を覗きこんでみる。
レンズの向こう側には
魔力の帯が見えるようになっていた。
それは壁を突き抜け、外へと続いている。
これを辿るんだね……。
宿を出た僕たちは、
ノースエンドの街中を歩いていった。
レンズを覗きこみながら歩いているから、
周りの人には失せ物探しをしているように
見えるかもしれない。
そしてしばらくして僕たちは
町外れにある一軒家に辿り着いたのだった。
外見上は何の変哲もない平屋建ての家だ。
どうやらこの中に
潜んでいるみたいですねぇ。
私がここから結界を張って
外に逃げられないように
しておきます。
じゃ、一気に突入しましょう。
うんっ!
まずはライカさんが結界魔法を展開。
それを見届けてから、
僕たち3人はそれぞれ武器を構えつつ
ドアを破壊して中へ突入した。
次回へ続く!