カレンの診察魔法によると、
クロードとクロウくんは夢魔の呪いに
かかっているらしい。
このまま目を覚まさなかったら
どうしよう……。
カレンの診察魔法によると、
クロードとクロウくんは夢魔の呪いに
かかっているらしい。
このまま目を覚まさなかったら
どうしよう……。
夢魔って、
インキュバスとかサキュバスの
ことですよねぇ?
カレン、
夢魔の呪いって魔族には
効果がほとんどないはずじゃ!
確か人間に近い種族ほど
効果があるんだよね?
えぇ、でもその呪いが
効きやすくなる薬が
投与されてるわ。
あっ!
僕は休憩室に着いた時、
店員さんから差し出された
冷たいお茶のことを思い出した。
もし何かを飲んだとしたら、
その時しか考えられないもん。
どうしたの、トーヤ?
休憩室でお茶を飲んだんだ!
あれに仕込まれていたのかも?
もしかしたら、
お茶を出したのって……。
サキュバスか、
あるいはその協力者ってことね。
状況から考えると、
その可能性は高いですね。
トーヤも診察魔法で
調べさせてもらっていい?
もちろんだよっ!
僕には状態異常無効化の特殊能力がある。
でもそれは体に対して影響が出ないだけで、
成分そのものは残っていると思う。
もし成分までも分解されるということなら
検出はできないかもだけど……。
その後、カレンは僕に対して
診察魔法を使った。
そして結果は……。
うん、トーヤの体にも
正体不明の薬が
投与されてるみたい。
やっぱり……。
トーヤさん、
口にした時に
気付かなかったのですか?
ごめんなさい……。
温泉から上がったばかりで
喉が渇いていたから。
責めているのではありません。
もしトーヤさんでさえ
気付かない薬物なら
厄介かなと思ったのです。
時に気にならなかったなぁ。
そうなると、
無味無臭の可能性が高いわね。
もしそうであれば厄介かも。
そうですねぇ。
被害者を増やさないためには、
元凶のサキュバスを
倒すしかないですねぇ。
セーラさんの言う通りだ。
このまま放っておいたら、
どんどん被害者は増えるばかり。
味で気が付かないならなおさらだ。
なんとかしないといけない。
そういえば、
サキュバスって強いの?
いえいえ~、
大したことはないですぅ。
しかも前線に出て
戦うタイプではないですねぇ。
むしろここで眠っている
2人みたいに、
じわじわと相手の力を吸い取って
弱らせていくのが常套手段よ。
直接ダメージを与えるには、
攻撃魔法か魔法の武器が
必要になりますけどね。
僕は魔法が使えないし、
魔法の武器も持ってないよ……。
僕は魔法が使えないし、
身につけるための訓練だって始めたばかり。
直接攻撃をするにしても
フォーチュンは魔法の武器じゃない。
バジリスクと戦った時みたいに
銀の弾を使えば
ダメージを与えられるだろうけど……。
僕自身も銀が苦手だから、
なるべくなら使いたくないんだよね。
安心してくださいぃ。
トーヤくんの持っているナイフは
微弱ながら魔法力を
帯びているのですぅ。
え? つまりこれなら
ダメージを与えられるんですね?
そういうことなのですぅ。
良かったぁ……。
このナイフが使えると聞いて
すごく安心した。
それにしてもセーラさんのナイフ、
本当に大活躍だなぁ。
市場で見て気に入った僕の眼力も
満更じゃないかもねっ♪
ですからサキュバスには
正面で当たれば
負けることはないと思います。
今のトーヤくんでも
倒せる相手ですよぉ。
警戒すべきは
魅了(チャーム)の魔法などの
特殊攻撃ですね。
相手も自分の実力が
分かっているから、
正攻法で戦いを挑んでくることは
ほぼありえないわね。
こういう場合は、
相手の居所を見つけて
不意打ちをするのが
最善の手でしょ~ねぇ~♪
えぇ、逃げ道を塞いで
一気に片を付けましょう。
ただ、その場合、
根本的な問題もあるけど……。
サキュバスがどこにいるのか
分からないってことだよね?
そうですよね。
本来のサキュバスは
ターゲットの寝込みを襲うのに、
それがないんですよね……。
相手がどこにいるのかが分からなければ、
戦うことができない。
物凄く遠い場所にいるというわけでは
ないだろうけど、
この町もそこそこ広いから
見つけ出すのに苦労するかもなぁ。
手がかりもないし……。
次回へ続く!