クロードの案内で、
僕たちは温泉施設に到着した。
するとその時、
入口の前で偶然にもカレンたちと
バッタリと出会う。
クロードの案内で、
僕たちは温泉施設に到着した。
するとその時、
入口の前で偶然にもカレンたちと
バッタリと出会う。
あれ? トーヤたちじゃない。
あ……カレン……。
どうしたの、こんなところで?
僕たち、
温泉に浸かりに来たんだよ。
奇遇ね。
私たちも町で温泉の話を聞いて
浸かりに来たんだ。
美肌効果があるらしいですねぇ。
お肌がツルツルになるらしいです。
それを聞いて僕はピンときた。
陸走船の中でクロードの顔を間近で見た時、
すごく肌がきれいだったんだよね。
それは温泉の効果なのかも。
だとしたら、効果が期待できそうだ。
ますます温泉の成分や効果を
調べてみたくなってきちゃった。
だったらゆっくり
浸かっていこうよ。
2時間後くらいに
ここへ集合ってことでどう?
3時間!
ふやけそうですね……。
じゃ、3時間ということで。
はい、そうしましょ~。
僕たちは温泉施設の中に入り、
受付で料金を支払ってから
再び男子チームと女子チームに分かれた。
ちなみにいつものことだけど、
僕は受付の人に
女子だと間違えられたんだよね……。
はぁ……嫌になるなぁ……。
ん?
女子たちがいなくなってすぐ、
クロードが僕とクロウくんの肩を
軽く叩いてきた。
視線を向けるなり、
彼はニヤニヤと笑いながら
手招きをして何かを囁こうとしている。
僕とクロウくんはキョトンとしつつも
クロードに耳を寄せた。
実はとっておきの情報が
あるのですが……。
とっておきの情報?
はい、実はこの施設には
常連客だけが入れる
秘密の部屋があるんですよ。
ふーん、そうなんだ?
温泉でゆっくりしたあとは、
そこへ行きませんか?
料金は私が持ちますので。
僕もですか?
えぇ、クロウ様もご一緒にどうぞ。
いやいや、何なのか分からないのに
同意はできませんよ……。
面白いものが見られます。
面白いものですか?
分かりました、
それならお付き合いします。
では、まずは温泉へ!
面白いものってなんだろう?
クロードが僕たちをどこへ
連れていこうとしているのか分からないけど
面白いのならちょっと楽しみかも。
僕たちが通されたのは、
主に家族などが利用する露天風呂だった。
ちなみにこの施設には
もっと大きなお風呂もあって、
そちらの方が料金も安いらしい。
でもこちらはプライベートを確保できるし、
クロードが強く勧めるので
最終的にこちらを選択した。
彼が料金を支払ってくれたので
僕としては何も問題はないけど、
ここまでしてもらったら
申し訳ないような気もするなぁ……。
へぇ~、これが温泉かぁ。
見た目は普通のお風呂と同じだね。
でもこのお湯には色々な成分が
溶け込んでいるんです。
それで怪我や肌に
効果があるわけですね?
そういうことです。
あとでサンプルを採取して、
じっくり調べてみようっと♪
では、服を脱いで入りましょう。
あ、タオルを湯船に入れるのは
マナー違反です。
つまり裸ってことだよね?
はい~っ!
男同士ですし、恥ずかしくなんて
ないですよね?
……なんかクロードさん、
やけに興奮してませんか?
き、気のせいに
決まってるじゃないですかぁ!
ふーん……。
それじゃ、服を脱ごう。
トーヤ、
ぜひ背中を流させてください!
じゃ、そのあとで僕も
クロードの背中を流してあげる。
は、はいっ!
身に余る光栄ですっ!!
クロウくんもね?
はい。
トーヤさんならオッケーです。
でもクロードさんは
遠慮しておきます。
クロードさんに対しては
身の危険を
感じざるを得ませんので……。
こうして僕たちは楽しい時間を過ごした。
気がかりだったのは、
背中を流しっこしている途中に
クロードが鼻血を出して倒れてしまったこと。
きっとのぼせちゃったんだろうなぁ……。
次回へ続く!