クロウ

っ!
どうしたら・・・

目の前にはアリストさんと僕を隔てる壁がある

これをどうにかしないと向こう側には・・・

アリスト

お前はこのことをギルド長に伝えろ!

アリストさんの言葉がよみがえる

でも、それはつまり・・・

首を振り変なことを考えるのをやめる

クロウ

言われたとおりにこのことを伝えないと・・・

後方へと足を向け歩を進める

一瞬、見捨てるのか?と自分に問いただす

でも、僕に今できることはおそらく何もない

できるとしても・・・

突然、洞窟内が大きく揺れる

クロウ

なにが・・・!?

地鳴りとともにヒヤリ・・・と冷たい何かを感じる

つい先ほどに感じたあの冷たさと同じ、あの感じを

クロウ

アリストさん!

そして、このままだとこの洞窟が崩れることを悟ってしまう

その証拠に天井から少しずつ、パラパラと石や土が落ちてくる

クロウ

急がないと・・・

僕は駆け、無事にアリストさんが脱出することを願いながら入口へと向かう

洞窟を抜けると、そこには先ほどと何も変わらない光景が広がっていた

馬車があり、そして馬もいる

僕はひとまず息をつく

クロウ

まずは・・・ギルドに・・・

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