私は目覚めた直後に流れた放送を聞いて、頷く
始まったようね。
私は目覚めた直後に流れた放送を聞いて、頷く
いよいよ前世の無念を晴らす時がきたわ。
私は幼いころ、ふとソーセージにフォークを突き刺した瞬間、激しい頭痛に見舞われたことがある
突然私が倒れたので両親はとても心配した
当の私はというと、頭痛の驚きも大きかったが、それより頭の中に流れた物語にすっかり心を奪われていた
それからあの怪しい占い師に出会い、未来にこのゲームが開催されることを知り、この時を心待ちにしていたのだ
・・・でもこの空間から出れないのは困るわね。
仮に放送の声が言っていたみたいに断罪で出られるとしても、保険をかけておくに越したことはないわ。
そう考えた私は、とりあえずはカギの場所を目指してあたりをうろつき、ある部屋に入った
ここは・・・。
あー!!!!!
良かった!!
私以外にも人がいたっ!
!
入った先は、ダイニングのような部屋で、そこには私より年下であろう少女がいた
すっごく不安だったの!
目が覚めたら知らない部屋だし、独りぼっちだし!!!
・・・私も誰かにあえて嬉しいですわ。
同じく不安だったので。
お姉さん、名前は何?
私、由利っていうの!
菖蒲よ。
よろしくお願いしますね、由利さん。
由利と名乗った少女は安心したのか、笑顔になる
丁度いいわ。
手始めにこの子を・・・。
私がそんなことを考えているときだった
ガッ・・・ガガガガガ!
!
?
さぁさぁ!!!
贖罪のお時間です!!!
え・・・!
お二方には共通の試練を受けていただきます。
料理長!!
カモン!!!!!!!
その掛け声とともに、先ほど私が入ってきた扉から一人の男が姿を現す
・・・・。
その男は、三品の料理らしきものがのっているワゴンをおしていた
あなた方には今から三品の肉を試食していただきます。
そして、その肉がどこ産で何の肉なのかを当てていただきます。
肉の種類を当てる?
はい、一品ずつ試食していただき、わかった正解をこのボードにかきまして、そのあとにボタンを押して発表してください。
・・・。
そして3問連続で正解したものに、脱出が可能となる鍵を差し上げましょう。
なるほど。
試食は一人ずつ行います。
先攻後攻を決めてください。
先攻と後攻ならば順番に試食していくという感じかしら?
いいえ違います!!
先攻の者は正解し続ける限り、連続で試食を行うことができます。
それじゃ後攻が圧倒的に不利じゃない!!
しかし、両者とも同じ料理なので、もし先攻の者が二品目まで正解して三品目で失敗したとすれば、後攻の者は二品目までの答えを知っているという状況になります。
・・・なるほど。
では、ひとつ質問が。
何でしょうか?
これは、試食をしなくても、ボードに正しい答えをかいて発表しさえすれば正解ですのよね?
・・そうですね!
つまりは答えがあっていればいいというわけです!!
じゃあ問題ありませんわ。
じゃあ、そこのお嬢さんも質問はないかな?
あ・・・。
それどころじゃなさそうだねww
あ、失敗した方は前世の自分に体を乗っ取られちゃうから頑張ってね☆
まあ、健闘を祈るよ。
あでゅー♪
ブツン
・・・・由利さん。
あ・・・、う。
心配しないで。
私はあなたにこの試練に勝ってほしい。
そういって私は由利さんの頭に手を置く
え・・・、でもそうしたら・・。
私は大丈夫。
だから、
圧倒的に有利な
・・・・・・・
先攻を由利さんに譲るわ。
いいの・・・?
ええ。
じゃあ・・・。
そういって由利さんは料理が置いてあるテーブルにつく
鍵を手に入れて元の世界に帰っても、菖蒲さんのこと忘れないからね!
・・・・。
私の小さいころからの特技は
【絶対味覚】。
それが例え食べたことがないものでも言い当てられる!!!!
これは・・・、アメリカ産の豚肉ね!
彼女は一問目の答えをボードにかき、ボタンを押して発表し、容易に当てた
正解です。
では次の料理です。
これは日本産の神戸牛だわ!!!
二問目も正解です。
では、最後の料理です。
スムーズに進むかと思えば、最後の品に由利さんは目を見張った
こ・・・これは!
血まみれの皿、そしてその上に
人の・・・手?
丸焼きにされた人の手のようなものが
う・・・うえ!!!!!!
思わず吐きそうになった由利さんは口元を手で押さえた
これを・・・当てなきゃ・・・。
食べないと、どこ産の・・・つまり誰の手かわからない・・・・!
やっぱり一筋縄でいかないようね。
恐る恐る由利さんはかけらを口に含む
そしてさらに蒼白な表情で目を見張った
お・・・・お母さん・・・。
へえ・・・、なるほど。
悪趣味ね。
由利さんは震える手でペンを握り、ボードに答えをかく
そして、回答するためにボタンを押そうと手を伸ばすがその手がぴたりと止まった
え・・・・?
由利さん。
お疲れさま。
私は人形の手を握って、動かす
え・・・・????
え???
由利さんの手はボードの文字を消し、牛の肉と書いて、発表ボタンを押してボードを提示した
不正解です。
回答権は後攻の方に譲渡されます。
彼女は何が起こったかわからないという表情でこちらを見る
私はその間に試食をせずに、回答をどんどん進めていった
そして三問目
由利さん、ごめんなさいね。
あなたに勝ってほしいて言った、あれは嘘。
!?
私はね、この人形に操りたい人間の髪の毛を入れることで、自由に操ることができるの。
だからそんなに驚かないで。
じゃ・・・、じゃあさっきのは菖蒲さんが!!!
ごめんなさい。
だって性分が嘘つきなんですもの。
そういって三品目の答えをボードにかいてボタンを押す
三品目
【由利さんのお母さんの肉】
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!
ふふ。
叫びながら倒れた由利さんを一瞥し、料理長から祝福の言葉と鍵を貰うと、私はその部屋を後にしたのだった
つづく
【お知らせ】
次回、土日に連続更新予定
最終回まで、できれば突っ走ります
~罪人リスト~
名前、罪状
童話
特技
No.1 漣 強欲
『青ひげ』
???
No.2 馨 憂鬱
『子供たちが屠殺ごっこをした話』
想像したものを具現化(?)
No.3 壱 色欲
『ながい鼻』
心を読み、真贋を色で見分ける(?)
No.4 菖蒲 虚飾
『???』
髪の毛をいれた人形を使い
人を操ることができる
No.5 卓 憤怒
『鍛冶屋と悪魔』
千里眼
No.6 暁 傲慢
『夜うぐいすとめくらとかげの話』
特殊な声を持つ
No.7 椿 怠惰
『夏の庭と冬の庭』
水を操ることができる
No.8 由利 暴食
『餓死しそうな子供たち』
絶対味覚
No.1
No.2
No.3
No.4
No.5
No.6
No.7
No.8